彼氏 卒業編 4

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↓↓↓↓↓↓↓↓ 沖田が運転する車は、来た道と違う道を走っていた。
神楽が窓の景色を眺めていると、上道の奥にある一軒のペンションが見えた。
そこは大きなホテルみたく豪華ではないけれど、さっきまでの騒がしかった遊園地とは違って、とても落ち着き、柔らかなぬくもりがあった。


頭の中で確信があるわけじゃないけれど、考えて行き着く答えは、この目の前のペンションだった。


駐車場に車を止めた沖田は、後部座席から荷物を取り出した。
てっきり遊びに連れて行ってくれるだけだと思っていた神楽は、驚いたのと同時に、嬉しくて動機が加速した。
沖田の背中に続いてゆっくりと扉をあけると、オレンジ色につつまれた部屋が飛び込んできた。
まず見えたのは、宿泊人がくつろげるように置かれたふかふかのソファ。脇にはフロントの受付口。

「そこに座ってろ」
沖田の言葉に頷くと、神楽はそのソファに腰をおろした。
事前に予約していたのか、沖田は、フロントに立っている受け付け係に話しをしている。

ホテルとも旅館ともその雰囲気は違うけれど、とてもこの場所がぬくもりに包まれているのは分かる。


「神楽」
カギを持った沖田が呼ぶと、腰をあげた。
背中についていく神楽は、まだこの現実が半分飲み込めていない。ほんのさっきまで、自分は騒がしい場所にいたはず。
そこで沖田と二人、はしゃいで、買い物をして・・・・・・。
部屋につき、鍵穴に鍵をさしこむとガチャリと音がした。
神楽の視界に飛び込んできたのは、柔らかい白で統一された部屋だった。

その光景に神楽は声も出ない。
その表情をみた沖田は喜んだような気がした。
荷物を床に置くと、立ち尽くしている神楽を窓際にと呼んだ。そしてカーテンをゆっくりと開いた。

「もう少ししたら、ここからいいモンがみれまさァ」
「いいもの?」

行きたかった遊園地にきて、あたたかいペンションにきて、この上一体何が起こるのだろう。
考えると、胸がドキドキとしてくる。
「でも、ま、とりあえず先に風呂と飯だけどな」
沖田は持ってきた荷物の中から自分の分と、お泊り用にと沖田の部屋に常備してある神楽の着替えを取り出した。


廊下を歩くと、ふたつの道、そこを分かれると、脱衣場が見えた。

カラカラと戸をあけると、敷き詰められた高い瓦礫に囲まれた、露天風呂が神楽を魅了した。
そっと、足のつま先をつけてみると、そこからジンと温度が体を満たす。
ゆっくりと肩までつかると、香りいい湯が体を包んだ。
ふぅ~っと声が思わず神楽から漏れる。朝、また子とお茶をしていたのが、嘘みたいなほど幸せだなんて言ったらと、また子の顔を思い出すと、自然に笑が漏れる。

しばらく湯で体を温めた神楽は、湯からあがる。
体を綺麗に洗っていると、ふいに気恥ずかしくなった。
頃合は、もうとっくにすぎた。自分の気持ちの中で整理だってできてる。後はタイミングだけだった。
そのタイミングが、今日、今訪れる前ぶれに来ている。

もう一度神楽が湯につかると、別のお客が入ってきた。
今入ったところだし、できればもう少し、この余韻に浸っていたい。そう思った神楽は、隅の方にと移動すると、月の景色でもみようかと空を見上げた。

「ねえ、さっきの男(ひと)見た? 超格好よかったよ!」
二人組の女性客は、この場所での出会いに意気揚々としている。
とくに聞くこともなかったけれど、反響する音のなかで、自然とその会話は神楽の耳にと入ってきてしまう。

だから、無意識のうちに耳を傾けた会話の流れで、それが誰の事を言っているのかピンときてしまった。

まさかそんなはずあるわけないと思うには、日常的に無理がありすぎる。
その話しが他のだれこれだったら、別にかまわないけれど、相手が沖田なら話しが別。聞いてヤキモキするくらいなら、この場からさっさと退散しようと後にした。

部屋に戻ると、やっぱり沖田は先に出ていたようで、ペンション内にある店で買った雑誌を読んでいた。
「飯食うか?」
パタンと雑誌を閉じた沖田は部屋から神楽を連れ出すと、ペンションに設けられているレストランに連れてきた。

メニューを見ながら、二人で注文をすました後、二人はたわいもない雑談をした。
すると神楽は視界に入ってきたものを見て、思わず声をあげそうになった。
沖田の視界からは見えない。ほんのさっき露天風呂で聞いた声が、沖田の背中を指差している。
(あの娘達アル・・・・・・)
来たものをどうこう咎める気にはなれなかったけれど、指をさされていい気になれる気はしない。

二人客は神楽達の席から、少し離れた席に腰をおろした。
「おい」
沖田の声にハッとする。どうやらそちらに夢中で話しを聞いてなかったようだった。
「ごめんアル」
素直に謝る神楽をみて、沖田はすぐに話しをもとに戻す。
「最近どうよ」
「どうって?」
「あー、日常生活とか、バイトとかもろもろ・・・・・・」
うまく言葉を濁したつむりなのかは分からないけれど、おそらく沖田の目当ては最後のバイトらしい。
「別に、ふつうアル」
言ったあと、今朝の沖田との会話を思いだした。

「あいつは?」
「あいつ?」
聞き返した後、誰のことを言っているのかピンときて、間宮の名前を出してみた。
よほど名前を聞くのもいやなのか、肯定もしないけれど否定もしない。
「あの人は、いろいろ仕事を教えてくれてる人ヨ」
高校を卒業してはじめてのバイトで心細かった神楽に、優しく一から教えてくれた間宮。神楽がすぐになついたのは、沖田がかんじたように、その面影が、銀八に似ていたからだった。

聞きたいのと、聞きたくないのがごっちゃになっている沖田の前に、運ばれてきた料理に、神楽は目を輝かす。
「凄いアル」
コース料理ではないけれど、ぜったいファミレスなんかじゃ食べられない。
続いて神楽の前に置かれた料理を前にして、嬉しそうに神楽は口を開いた。
「いただきます」

レストランから出た沖田は、壁にかかってある時計に目をやった。
まだ時間の余裕はあるようで、部屋に戻るか、どうするかと神楽に聞いた。

ペンションの中には小さな娯楽ルームがあった。
その中にあるクレーンゲームをみつけた神楽は沖田をひっぱった。
「アレをやりたいアル」
ガラスケースのなかには、可愛らしいヌイグルミがあった。
まず神楽が挑戦してみたけれど、あっさりと失敗。見かねた沖田も挑戦してみるけれど、これも失敗。
ムキになった二人は、両替機に千円札をつっこんで、小銭を拳にたくわえた。
確実に手の中から消えていく小銭だけれど、ちっとも収穫はなし。笑いながらも諦めた二人はそろそろ部屋に戻ろうかと思った所だった。
神楽の携帯から着信音がなった。
「また子からアル」
「行ってこいよ」
広間を指さす沖田にごめんと手をやりながら神楽は走った。

(本当に、心配症アルナ)
部屋にと戻る神楽の足は、急ぎ足だ。
その心にあるのは、おせっかいながらも、いつだって心配してくれてるまた子の言葉が嬉しかったから。

いつも一緒にいるお妙や、ミツバは、勿論、大好きで大切な存在だけれど、その中でもまた子は特別。
いつだって背伸びしないで等身大の自分をぶつけられる。

「ただいま」
部屋に戻ると、そこにいるはずの沖田に声をかけた。
「あれ?」
でもそこには沖田の姿がない。
どこにいるんだろう? もしかして隠れてでもいるのか、なんて考えながらも部屋の中を探す。でも結局見つからなくて、部屋を出た。
(どこに行ったアルカ)
ペンションの中を神楽は歩き回った。
「あ、あのっ」
神楽の背中に声をかけたのは、このペンションの管理人。
沖田の場所を知らないかと口を開こうとした神楽の声より、先にその答えを出した。
「これを貴方に」
神楽に手渡されたのは、走り書きされた沖田からのメッセージだった。



ベットに横たわった神楽は沖田からのメッセージを思い出していた。
「すぐに戻る・・・・・・」
時計の針は、もうすぐ、九時をさす所だった。



・・・・To Be Continued・・・
Category: 彼氏 卒業編
Published on: Sat,  23 2015 14:39
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2 Comments

沖神love  

お久しぶりです!!!
久しぶり過ぎて私も、もう中2です。

彼氏!展開がおもしろぃですね
沖田と神楽の原作とはちょっと違う
素直なふたり良いですね。

これからも、頑張ってください!!?

2015/07/28 (Tue) 09:44 | EDIT | REPLY |   

ツンデレ  

Re: タイトルなし

こんにちは^^

お久しぶりです♪ なかなか更新が進まないし、ストロベリーシュガーのブログと
交互して書いているので遅くなりますが、
読者さんに面白いものを見ていただけたらと思って頑張ります!!

またふらっと立ち寄った時は、見てくださると嬉しいです^ー^

2016/02/15 (Mon) 15:01 | REPLY |   

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