彼氏 卒業編 5

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思いながら、神楽は沖田の携帯を見つめる。

(ちっともすぐじゃないアル)
綺麗な部屋も、ひとりぼっちじゃ全然嬉しくない。
いつ帰ってくるんだろうと思うドアは、開けられることないまま、時間がすぎる。

ひゅ~~~っ。
窓の外から、微かに聞こえた気がして、神楽は振り向くと、窓一面に、花火が鮮やかに広がった。

(わっ・・・・・)

あまりにも綺麗で、言葉を失ったあと、ゆっくりとベットから降りると、窓ガラスに手をついた。そして来たときの沖田の言葉を思い出した。
(もしかして、これを見せたかったアルカ?)
神楽の瞳に、花火が何発も浮かび上がっては消えていく。

「綺麗アル」
多分、本当は二人で見るはずだったんだと思ったら、余計さみしさが募った。

ふと、視線をさげた神楽の視界に、沖田が見えた気がした。
思わず窓に両手をついて、食い入るように目を細めた。
「あの娘・・・・・・」
窓の外の視界には、確かに沖田の姿があった。そしてその隣にいるのは、このペンションで何度も遭遇していた二人組の女子の姿。
(なんで・・・・・・・・)
考えをはりめぐらせても答えは出ない。だって彼女達と何の面識もないはずなのに。

やましい事じゃないって事は分かる。
わかってるのに、動機がおさまらない。

沖田が中に入る姿を見た神楽。このまま会えば、沖田に何を言ってしまうか分からない。そう思ったら、部屋を飛び出していた。



動転した神楽は、裸足で飛び出していた。
地面を踏むたび、くっついてくる石コロがあたって小さな痛みが神楽に当たる。
なんで逃げなくちゃいけなかったのか、正直分からないけれど、沖田の話しを聞く前に、嫉妬心が爆発してしまいそうだと思ったら、逃げる方がいいと思った。
上を見上げると、まだ花火はあがり続けている。
「・・・・・・痛いアル」

なにげない顔で知らんぷりしてもよかったし、上から偶然に見えたって正直に言ってもよかった。
でも、あの場面だけ切り取ってみたら、嫌な想像しか出てこなかった。

どうして、今ひとりなんだって考えた、どうして沖田と花火の下にいるのが、自分じゃないのって・・・・・・。

「だって、誕生日アル・・・・・・」
自分でも覚えてなかった誕生日に、沖田がしかけてくれたサプライズ。
座り込んだ神楽は膝をかかえた。
本当は、足の痛みなんてどうだっていい。
胸にチクチクとささる見えない痛みの方がずっと痛かった。

「神楽!」
花火の音の下、微かに聞こえた声に、神楽は顔をあげた。

もう一度呼ばれた声とともに現れたのは、息を切らした沖田だった。

何も言わず飛び出してきたことを謝らなきゃいけない。思ったけれどまだ神楽の視線は、下を向いている。
悪い事をした訳じゃないけれど、息をきらしている沖田がすぐ側にたっているというだけで、やっぱり悪いのは自分のような気がした。
「手ぇ、貸せ」
沖田の言葉に黙ったまま、手を伸ばすと、体がふわりと浮いた。
何も責めることもなく、歩く沖田。花火の轟音にまじりながらも、ごめんなさいと言った神楽の声が沖田の耳に届いた。




ベットにすわった神楽の足の裏の小石を払う。
「オメーは何処に行ったってじゃじゃ馬でィ」
沖田の言葉に返す言葉ない神楽に、沖田は言葉を続けた。

「部屋の鍵をなくしたって騒いでたんで、一緒に探してただけでさァ」
「鍵?」
聞きかえした神楽、沖田は隣に腰掛けた。
「そう、鍵がなくちゃ部屋に入れねえだろィ」
沖田の答えに、納得ができたのか、黙って神楽は頷いた。

けれどまだ、神楽のもやもやが残っていそうな顔をみた沖田は、くしゃくしゃと髪をあそばせた。
「やめるアル、ボサボサになってしまうネ」
不機嫌な神楽の顔をみた沖田は笑って、手をひくと、窓際までつれてきた。

「綺麗だろ」
「・・・・・・うん」

「この部屋から見える花火が一番綺麗なんだと」
だから、それを見せたかった。沖田が最後まで言わなくても、神楽には分かった気がした。

しばらく二人で花火を眺めていると、その速度が増した。そして静かに終わりの合図の花火が上がると、さっきまで明るかった景色が、真っ暗にそまった。

急に襲った静けさに、神楽の体がいっきに緊張したのが分かった。
横から触れた温度に、ひゃっと声をあげて、思わず逃げ出しそうになる。
沖田が触れた頬に、一気に熱が集まる。目をとじて、息をとめる。けれど緊張はちっともとけなく加速する。

「恐いか?」
暗闇から、優しく沖田の声が耳元でささやいた。
抱きしめられている中で、必死にそんな事ないと首をふった。
立つことさえままならない神楽の体が、ふわりと浮く。きしむベットに体が二つ分沈む間、神楽の瞼は閉じられたままだった。


・・・・To Be Continued・・・
Category: 彼氏 卒業編
Published on: Thu,  04 2015 03:41
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