彼氏 卒業編 8

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↓↓↓↓↓↓↓↓ 大学の保険室、神楽が来ているなんて夢にも思わない沖田は、愛用のアイマスクをしていた。
どれだけ寝ていたのかは分からないけれど、睡眠は十分に確保できた後らしい。上半身をベットから起こすと、アイマスクを外す。
軽く関節をならすと地に足をつけた。すると廊下の向こう側が騒がしいことに気づく。
どうやら神楽の事が館内で話題になっているようだが、何も知らないまま、沖田は保険室をあとにした。

(あーもう、最悪アル)
三階から降りた神楽はあっと言う間に注目を集めてしまい、いつの間にか迷い込んだ科学室に身を潜めていた。
(これじゃ帰れないどころか、ここから動く事ができないアル)
やっぱり、変な男の言う事なんか聞かなきゃよかった。ため息をつくけれどどうにもなりそうにない。

けれどいつまでも、こんな場所にいられないとそっと教室から出る神楽。
すると、案の定すぐに見つかってしまい、再びイタチごっこが始まった。

盛り上がりの見せる入学会だけど、沖田は興味がないらしく、どうどうと館内から出ようとしていた。
するとその足がとまった。今、視界に何かが入った気がした。
ふわりと風になびく、柔らかい髪。その色に沖田は見覚えがありすぎた。
けれど、こんな場所で・・・・・・?

(はっ、んなわけ)
過ぎった思考を手で振り払う沖田は、また足を一歩出した。
そして門を通りすぎる。
「・・・・・・・・・・・・」
沖田の足は、踵をかえすと、再び門の中の人ごみの中へと消えていった。

その頃神楽はと言えば、一心不乱に走り続けるうちに、多目的ホールにと着いていた。
「あ、いたいた」
かけられた声に神楽は振り向く。
「おまっ、もう私は帰りたいアルっ」
こんな騒ぎになったのも、もとはと言えば、この男に出会ってしまったからだ。
けれどそんな神楽の手をひょいと取り上げると、迷うことなく壇上の上に連れてこられてしまった。
一斉にフラッシュが神楽にと集まった。あまりのまぶしさに目がくらむ。そしてしばらくしてその視界がクリアになる頃、神楽は唖然とした。
「エントリーNo.10番」
その場をとりしきる男が神楽にマイクを向ける。
「あ、お名前は・・・・・・」
今、このホールは、一斉に神楽の言葉を待っている。
「あ・・・・・・神楽というアル」
神楽の声がホールに響くと同時、歓声が沸いた。

今この壇上には、神楽の他に9人の女性が上がっている。
それはどれも美人揃いで、選ばれたこの場にふさわしいと言うべき人間が集まっていた。

もう何がなにやら分からない神楽は、壇上の袖を見てみる。すると、そこからまるで頑張れとでも言うように、ヒラヒラと手を振っている男。もう怒る気持ちも失せた神楽は項垂れてしまう。
けれどそんな神楽にチャンスが来た。進行されるこのコンテストでエントリーNo.1番から自己アピールの時間が用意されると言う。
この隙に逃げなきゃいけないと神楽は、人の中をぬってあるく。
すると、手が引かれる感触に、もう我慢ならんと神楽は声をはりあげた。
「もう、いい加減にす・・・・・・っ」
神楽の両目は、大きく見開いている。
「おおおおきっ・・・・・・」
一気に現実に引き戻された。
「ななな何してるアルカ・・・・・・っ?」
沖田の顔は、その台詞をそっくりそのまま返してやると言っている。
「あ、いたいた」
後ろから聞き覚えのある声、神楽の心臓はいっきに飛び上がった。
そして、三人が顔を合わせることになった。
「あれ?」
一番最初に口を開いたのは、元凶のこの男だ。
親しいかどうかは別として、同じ大学に通うものどうし、面識くらいはあるようだ。

「悪いがこいつは見せモンじゃありやせん」
冷ややかな沖田の言葉に、沖田と神楽を見比べては、ひとつの過程にたどり着いたらしい。
男は素直に神楽を解放する気になったようだった。
「悪かったね、色々付き合わせちゃって」
あれだけ頭に来ていたはずなのに、こうもすんなり謝られては、神楽は下にでるしかなかった。
でもこれでやっと解放される。そう神楽は、わずかな安堵に身をひたした。けれど斜め上からの不機嫌オーラーにすぐに気がついた。
「あ、そういえばコレ」
さらっと男が用意したのは紙袋。
なんだこれはと思いながら、神楽は沖田とふたりそれを覗き込んだ。
「君が着ていた服」
にっこりと笑いながら、最後に爆弾を投下した男は、二人に背を向けた。

今のは絶対ワザとだと思いながら、立つ神楽に、上を見上げる勇気はなかった。


・・・・To Be Continued・・・・・
Category: 彼氏 卒業編
Published on: Sat,  20 2016 14:20
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