キャラメル★パレット 37

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↓↓↓↓↓↓↓↓ さっきまで繋がれていた感触とは明らかに違う。まだ状況が飲み込めていない雅は、キョトンと繋がった手を見ている。 そして、目の前にいる二人の男に視線を交互に送ってみた。

「えっ……と、これは?」

(さっき隼人に捕まった時点で、鬼となるのがこのゲームのルールだったはずだよね?)
考えている雅の体がグンっと繋がれた手にひかれた。

「わっ、ちょっと……」
繋がれた手が走り出すから、自然と雅の体も走る形になる。 けれどその目の前に隼人が立ちふさがった。

「手ぇ、離せよ」
隼人は、男にではなく、雅に言っている。
「えっ? だって、私、鬼? あれ?」

何だかルールが分かっていない雅に、繋がれた手は状況を説明してくれた。 それによると、鬼に捕まれたら鬼になるのはフェイクで、本当は、男女ペアで、手を繋いでゴールするのが正解らしい。 そしてゴールしたペアの中から順位がきめられ商品がもらえる話。 その間、女子が手を自ら離せばアウト。鬼は振り出しに戻るという話。他校の交流を、男女の交流にすりかえてしまうのが、いかにもな感じだ。

状況は出来た。さっき自分が隼人の手を離してしまった後、こっちの鬼さんに捕まれた。 ようは、この手も離せばいい、そういうことだ。 話を聞いて理解した雅は、改めて隼人の顔を見た。 その顔は、離して当然だと書いているような気がした。
(なんか、面白くない……)

散々、この男には振り回されてばかりだ。そう思った雅は、素直にこの手を離す気になりそうもなかった。
繋がれた手を見ると、雅は、手を繋いだまま、隼人を通りすぎた。

「おい」
背中に声がかかる。 その言葉を無視しながら、雅は、繋いだ手と前を向いて歩く。
「いいんだな? それで」
背中にかかる隼人の声に、雅は、思わず足を止めてしまった。 もしかしたら、止めてくれるかもしれないと期待していたかもしれない。そんな背中を雅はみせた。そしてしばらく考えるそぶりを見せたが、隼人の問いに応えないまま、その足は進みだした。

(なによ……なによ、なによ……)

雅の足は、どんどんと進みながらも、気持ちはそんなことばで埋め尽くされている。 どうしてあいつは、いつだってああなんだろう。こっちがペースを乱されることがあっても、決して乱れるようなことはしない。 思い通りにいくのはあいつばかり……。
「痛っ」

痛みに顔を歪ませる雅は、そっと足首に手をやった。先に先にと進んで行くうちに、どうやら雅は足を捻ったらしい。
「あーもう……」

情けない。自分はまんぞくにただ歩く事さえできないのか。
「大丈夫?」
さっきから、雅の方が手を引いて歩いてしまい、ついてくるだけの形だった男だけれど、心配そうに、雅の様子を伺う。

「うん、大丈夫、ごめん……」
そう言って 立とうとすると、足首が痛んだ。こうなってしまった場合、棄権扱いになってしまうけれど、雅は、自分一人が棄権すれば、それですむ事だと、男の手を離した。 男は、 しばらく雅を心配そうに見ていたけれど、やがてその姿は消えていった。

(何やってんだろ、私)
足は痛い、動けそうにもないのに、隣には誰もいない。

一瞬、隼人の顔が浮かんでしまい、慌てて思考から消し去った。
隼人があんな性格なのは今に始まったわけじゃない。出会ってからずっとだ。
だから悩んだところで何も変わらないと分かっていたのに、あの瞬間、期待した自分が恥ずかしかった。だから隼人の顔をみる事も出来なかったし、歩くしかなかった。

「足……痛いな」
触れるとズキンと痛みが走る。

(涙でてきたかも)
目頭が熱くなったかと思えば、瞳の中に涙が浮かんだ。
その瞬間、ふわりと体が浮いた。

予想してなかったことに雅は振り返り、あっと口を開けた。
「隼人」

さっき、そっけなく突き放した隼人に抱きかかえられている。
「ちょっ・・・・・・下ろしなさいよ」

抱きかかえられていると言う羞恥心と、今顔を見られたくない思いで、雅はふいっと顔をそむける  。
その一瞬の隙に、滲んだ涙を払った。
雅の言葉を聞いてか聞かずか、、隼人の手は下ろそうとはしない。
本当ならば、さっさと隼人なんて振りほどいて、地に足をつきたい。

「重てえ身だな」
隼人の憎まれ口に、思わず雅は噛みつきそうになるのを抑えた。

でも、そんな口を聞くくせに、隼人の手は、一向に雅を下ろそうとはしないまま、歩いていく。
「……下ろせば? 重たいんでしょ」

そう言った雅の顔は、まだそっぽを向いたままだ。
「ほんっとオメーはツンデレだな」

呆れ口調の言葉。誰のせいでそうなっているんだと思いながらも、雅の反応はない。
すると、隼人の足は、道なりのコースから外れた。
「え、何処行くの?」 

思いもよらなかった展開に、雅は思わず隼人のほうを向いてしまった。その顔がすぐ近くにある事にあせってしまった。でも、その表情をみてしまった雅は、大人しくするしかなかった。
「いいとこ」

そう言った隼人は、コースから遠のき進んでいくと、木々に隠れた白浜のビーチへと向かっていった。
「うわぁ……」

あまりの絶景に雅は、歓声をあげた。
透き通る海に、砂地は、真っ白で太陽の光を反射している。
隼人に抱きかかえられたまま、海に近づく。そして、足に水がついた所で雅をゆっくり下ろした。

淡く火照ったからだに、ひんやりと水がひたった。
「つめたっ」

言いながら、雅はいつのまにか笑みを見せている。
さっきまで怒っていたのに、つい隼人に笑みを見せてしまったと、一瞬顔を戻したけれど、もうすでにその表情は、視界に入った後だった。

「機嫌は治ったかよ、姫さん」

隼人がつい口から出てきた台詞は、沖田がよく神楽にむけて口にする台詞。
茶化された感が否めなくて、頬を膨らませてみる雅。でもその表情はすでに怒っていないと告げていた。
靴を脱ぎ捨てた隼人は、下ろした雅をもう一度抱き上げた。

「ひゃっ」

軽く浮かび上がる体に、波が押し寄せる。その波にさらわれるんじゃないかと思わず隼人に抱きついた。
雅を抱きあげたまま、隼人は、海の中を歩いていく。

跳ね返った波が、体にぶつかっては、水しぶきをあげ消えてゆく。
海の潮の香りが鼻をかすめる。それがなんとも涼しげで、気持ち良かった。
でもどうして、こんな場所を隼人は知っているんだろう。
思った雅の思考は、隼人の行動を思いかえさせた。

(もしかして、最初からこの場所に……?)

聞きたかったけれど、この男が素直に言ってくれる気がしなかった。
隼人の足は、どんどんと海の中にと入っていき、気がついたら、二人の体は浸かっていた。
海の中でゆっくりと雅の体をおろす。浮かび上がる雅の体。地に足がついていないから痛くもない。
すると大きな波が勢いよく押し寄せ、思わず雅は隼人にしがみついた。
ハッとした雅が、隼人から離れようとする、けれどその体は、離れなかった。

すぐ近くに隼人の顔がある。別にこんな事初めてじゃないし、慣れてる。なのに、心臓の音がこれでもかってほどに音をたてる。
海の中、肌が触れる。
顔が火照る。それを知られたくない。思って雅は下唇を噛んだ。
「雅」

閉じていた、視界の向こうで隼人が名前を呼んだ。
そっと目をあけると、唇が触れた。
わっと赤らめた顔。こんな場所でと一瞬思うけれど、今誰もいなくて、ここには二人だけ。
でも、そんな問題じゃない、ただでさえ心臓の音はやんでくれない、なのに、その熱が嬉しかったときっとバレてるだろうと思ったら、いたたまれたくなる。

そんな雅の顔を見せたくないと、わざわざこんな所まで連れてきた隼人の心を知ってか知らずは別として……。

・・・・To Be Continued・・・・・






















Category: ★キャラメル ★ パレット(hit小説)
Published on: Wed,  07 2016 17:47
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