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彼氏 卒業編 26

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イラスト/ シロマイナスクロ yunata



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なぜよりによって、今日なのだろう。
沖田がここに来る時も確かにあるけれど、今日でなくったっていい。
まさかそんな事を神楽が思っているとは知りもしない沖田は、適当に手にとった雑誌を持ちイートインスペースに腰を下ろし読み始めた。
(ど、どうするアル)
目の前の現実に直視できていない神楽は、頭の中で思考をめぐらせる。
「ね、ねえ……」
かけられた神楽の言葉に、沖田は頭をあげた。
「何でさァ」
声をかけたはいいけれど、沖田を目の前に思うように言葉が出てこない。たじろぐ神楽を目の前に沖田は状況もわからずキョトンとするばかり。そんな中、神楽は浅い知恵を振りしぼって声をだした。
「か、買ってきてほしいものがあるネ」
神楽の言葉に、沖田は軽く首をかしげる。
「買って欲しいものって……、ここじゃ駄目なのか?」
確かに、ここは大抵の物がそろうが売りのコンビニ。
「だ、駄目アル、ほ、ほら最近美味しいって評判のあのたい焼き‼あれが食べたいアル」
「終わってから一緒に行きゃあいいじゃねえか」
「し、仕事が終わったらすぐに食べたいのヨ!暇ならかって来てほしいネ」
言いながら神楽は、なかばむりやり沖田を立たすとその背中を押した。
神楽の言葉に多少の不満はあるような顔をさせたけれど、確かに神楽のバイトが終わるまで暇なのは事実。
「分かったって」
沖田はそう言うと、読んでいた雑誌を閉じもとの場所へと戻した。その様子をみると神楽はホッとしたように息をもらすとその背中を見送った。そして、沖田がコンビニから出ていくのと同時、神楽はすぐそこに来ているであろう時刻を思わず見上げた。

コンビ二からすこし歩いた場所にあるその有名なたい焼き屋から出てきた沖田の手には、まだ熱々とした、たい焼きが入った袋がある。それを手にもって歩いていると、向こうの方角から見知った身なりが見えた。
「何してるんですかィ」
沖田のその言葉に驚いて振り向いたのは、今日の事を唯一知っているお妙だった。声をきくなり驚いたそぶりを見せたお妙だったけれど、振り向いてその姿を視界の中に入れると、もっと驚いた表情をさせた。
「あ、あら沖田さん偶然ね、どうしてここに?」
「あと少しであいつのバイトも終わるんでちょいと顔を出したら、コレを買ってこいと頼まれたんでさァ」
「そ、そう」
神楽に唯一相談された相手であるお妙は、今日の事が心配だったのか様子でも見に行こうとしているところだったのだろう。神楽の時と同じく、居てはいけない人物を目の前に戸惑っているようだった。
「そっちは、どうしたんですかィ」
「え?わ、私……?私は――」
まさかこの場所で沖田と出会ってしまうとは思いもよらないお妙にとって、この状況は想定外以外の何物でもなく、思考がついていかない。そんな中ででも分かった事は、おそらく神楽なりに策をねって沖田をコンビニから遠ざけた事。そして時刻は間もなくせまっている事だということだった。
「そ、そうだ!神楽ちゃんのバイトが終わるまでちょっとお茶しません?」
ちょうどすぐそこには、ファミレスが見えている。この状況にうってつけだ。
「いや、もう終わる頃なんでまた今度にしときまさァ」
お妙からの誘いをさらりとかわした沖田は、お妙の横をするりと通りすぎようとした。
「待ってっ」
沖田をいかしてはなるものかと、お妙は思わずその腕を掴んでしまう。
いつも冷静なお妙がこうも自分を行かせたくない状況だということに、少なからず沖田は気づいたようだった。
まるで、全てを知っているかのような視線をお妙に向けると、早く吐いて楽になれと言わんばかりの笑みを見せた。沖田のこんな瞳を見る事がないわけじゃないけれど、それはいつも隠し事が下手くそな神楽に向けられているものだった。けれど今まさにその視線が自分に向けられている。この瞳を目の前に、もう一ミリも隠し事を出来る気がしなかった。
お妙は観念したように、息をはいた。
「実はね……」




お妙からの話を一通り聞いたあと、沖田はコンビニへと足を向けていた。
話を聞けばきくほど、神楽の行動も不審な点があったような気がした。普段は些細な場所であっても一緒に行きたい、居たいと言うのに、逆に気づかなったのが不思議に思えてくる。
「道理で……」
沖田の口からそんな言葉が零れ落ちた。
お妙の言葉と神楽の態度に納得がいった沖田の足はもうすぐコンビニにと到着してしまう。
出来れば、神楽の側に男の影なんて近づかせたくもない。まして見知った男じゃないなら尚更だ。そう思うと沖田の足はすぐそこにもかかわらず自然と急ぎ足になっていた。
けれど、もうそこの角を曲がったら到着というところで、ぴたりと沖田の足が止まった。

「ごめんなさいアル」
壁越しに、神楽の声が聞こえた、それは神楽の声だとすぐに気づいた。本当なら盗み聞きなどする前に、相手の男に一言いって黙らせる算段だったが、間に合わなかった上、二人の会話は既に始まっている。
沖田は思わずその会話に耳を傾けた。

「良かったら、どんな人なのか……聞いてもいいかな」
神楽の声とは別に聞こえてきたそれは、相手のものだとすぐに分かった。それに対する神楽の返答が気になって、沖田はいっそう会話に耳を傾けてた。
「ん~~」
すると返答に困っている神楽の声が聞こえてきた。
いきなりそんな事を聞かれてしまい戸惑う気持ちも、人にさらすような言葉でもない事は分かるけれどどうにも釈然としない沖田。けれど神楽の性格を考えて、それもまた仕方のない事だと思いなおすと、小さくため息をつき、踵をかえした。
「あいつは――めっさ自己中な男ネ」
けれど神楽から出てきた言葉に、沖田は思わずもう一度足をとめた。
「それに加えて、口は悪いし性格も悪い、おまけに態度まで大柄でとんでもない男アル」
(おいおい)
納得でもしているのかと言う口ぶりの神楽の声色に引き気味になりながらも、沖田は再び気になったのかその声に聞き耳をたてた。するとさっきまでの声色とは一変、神楽の雰囲気が優しくなった。
「でも……、私の事凄く大切にしてくれるアル」
「――そうか」
「うん」
一体どんな顔をしているのか分からないけれど、その声は真実の言葉を述べているような気がした。
隔てた壁の向こうで、足音が遠ざかっていく。
沖田はそれを静かに聞いていた。


沖田がコンビニに顔を出すと、そこにはいつもの神楽が居た。
「ほらよ」
沖田は手に持っていた袋を神楽に渡した、するとすぐに中身を確認した神楽が満面の笑みを見せた。
「美味しそうアル」
「もう終わったのか?」
沖田がそういうと同時、神楽と交代で入ってくる予定のバイトが店の中に入ってきた。
神楽は、制服を着替えるために奥へと一度さがり、しばらくすると出てきた。

日ごろから神楽に寂しい思いをさせている事は重々承知だった。大学の事は勿論、沙良の事もそうだった。口で言い聞かしてはいるけれど、神楽の中で、それだけでは納得のできるような簡単なものではないという事も分かっている。話し上手でも聞き上手でもない自分がうまく伝えられないでいる事を不憫に思ったりした。
だけど今日、そんな神楽の思いを偶然だろうけれど知ることが出来た。それは普段の神楽からはなかなか聞き出せない心の奥の気持ち。

目の前でたい焼きをほうばる神楽の背中を見る沖田が、ふいに声をかけた。
「おい」
すると神楽が振り向いた。
「肉でも食ってくか?」
沖田の言葉に目を輝かす神楽。その瞳はまだまだ胃袋は余裕があると言いたげだ。
「マジかオイ、何か良いことでもあったアルカ?」
嬉しそうに沖田の腕をぎゅっと握りしめる神楽の方をみると、沖田は静かに口をひらいた。
「ああ、ちょっとな」

・・To Be Continued・・・・・



Category: 彼氏 卒業編
Published on: Tue,  30 2018 14:52
  • Comment: 8
  • Trackback: 0

8 Comments

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更新待ってました!ありがとうございます。

2018/02/04 (Sun) 07:17 | REPLY |   

おはぎマン  

私も更新待ってました!ありがとうございます!
最後の沖田のセリフにキュンとしました!神楽が自分の事をけなした後に褒めるなんて沖田としては最高だったんじゃないかな〜って勝手に思ってます(//∇//)
後、全然話が違うんですけど、ツンデレさんってドMなんですか?私は正真正銘のドMです…学校ではドSのふりしてますけど。
(どうでもいい話で申し訳ありません)
これからも楽しみにしてるので、頑張って下さい!╰(*´︶`*)╯♡

2018/02/05 (Mon) 07:57 | EDIT | REPLY |   

りっと  

更新ありがとございます!楽しみにしてました!!可愛いです!神楽ちゃんヤバイですということした語彙力が低下して言えませんがありがとうございます!可愛いです!主食です!次の更新も楽しみにしてます!お仕事お忙しいと思いますが頑張ってください!

2018/03/04 (Sun) 16:51 | EDIT | REPLY |   

ツンデレ  

Re: タイトルなし

おはようございます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
コメントありがとうございます‼
ちまちま書きためていた物がやっと更新できました。そしてすぐコメントを頂き嬉しかったです(✿´ ꒳ ` )
まだ次のお話に取り掛かれてないのですが、読んでもらえた時、また面白かったと思えるような物を更新できるように頑張りますので、お待ちくださるとうれしいです+。:.゚٩(๑>◡<๑)۶:.。+゚

2018/03/10 (Sat) 07:59 | REPLY |   

ツンデレ  

Re: タイトルなし

おはようございます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
またコメント頂けて嬉しいです‼
セリフを考えるのはいつも楽しくて、特に沖田の格好いいセリフが思いついた時はいつもテンションがあがります(*'∀'人)♥*+
私は、MかSかで言うと、完全なMです(ૢ˃ꌂ˂⁎) ウシシ

なので、沖田のSなセリフは楽しくかかせてもらってます♡
実際ではSになれないので、余計に楽しいのかもしれません(ノ≧ڡ≦)てへぺろ
また、更新頑張りますので、宜しくお願いします!

2018/03/10 (Sat) 08:03 | REPLY |   

ツンデレ  

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます(♡ >ω< ♡)
すごくすごく楽しみにしていた気持ちが伝わりました♡
なかなか更新できなくて、お待たせするばかりですが、更新した時に喜んでもらえて嬉しい気持ちにいつもなります。
こちらこそ、ありがとうございます(✿´ ꒳ ` )

また、次の更新も頑張りますので、お暇な時にでも気軽に読んでくださいね♡

2018/03/10 (Sat) 08:12 | REPLY |   

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承認待ちコメント

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2018/03/13 (Tue) 22:40 | REPLY |   

ツンデレ  

Re: アレ?

おはようございます‼(人◕ω◕)
まずは、ブログの画面が乱れていた事について、対処いたしました。
せっかくご覧くださっていたのに、申し訳ありませんでした(´・ω・`)

なんとか、無事に元のように復帰できましたので、また今までのように、ご覧くださると私も嬉しいです♡

銀魂、もう少しで終わっちゃうみたいですよねヾ(。>﹏<。)ノ
銀魂は、笑ったり、泣かせてもらったりと色んな話が詰め込まれていて、どれも深いいいお話ばかりでもっとみたいと思う気持ちがいっぱいです。だからこそ、大切に見ていきたいですよね。
ちなみに、私はアニメの方を優先してみているので、ジャンプが出てもグッと見るのを我慢しています(*´﹀`*)

ブログは、見ている人がいる限り、続けていきたいと思ってます♡
となりのアイツのイラストは私の大好きな絵師さんのお友達の菌うさぎさんが書いてくれたイラストで、私も大好きなので、待ち受けにしていると聞き、とってもとっても嬉しいです♡ありがとうございます!(ू•ᴗ•ू❁)

2018/03/19 (Mon) 08:41 | REPLY |   

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