40000hit記念小説 『十月十日』 act 4 中編

はやる気持ちを押さえる。自分が何をしに行こうとしてるのか考えると、少しくすぐったくて、顔がにやけた
屯所の前。さすがに前から行くのは気が引ける。
この後の自分の行動を考えると・・

前は、よく登っていた、塀。お腹を見つめ、うぅ~んと一瞬悩む。でもココしか道は無い
いけるはずだと、足を勢いよく地面から蹴った。ひょいと登れた。私もまだまだいけると、ほくそ笑む
ゆっくり、落っこちないように、進む。
総悟の部屋の前。行く途中、ひょっとすると居ないかもしれないと言う考えに、実は捕われた
間抜けな自分にならないように、どうか居ますようにと願ったが、確かにそこに明かりはついていた

ほっとした。何故だか分からないが、気を引き締める。
髪を手でとき、無意識に、汗臭くないかと確認し、石鹸の匂いがする事を確認し、よしっと気合を入れた

「誰だ・・!」

「ぅえ??きゃっ!!!」

塀の上から、これから飛び降りると言う時に、総悟の部屋の襖が開き、総悟が出てきた
刺客と間違ったのだろうか、低い声で、殺気がこもっていた。
驚いた神楽は、バランスを崩す。お腹が出ているため、下が見えない。だからバランスも崩れやすいし、気を抜くと転んでしまう。そこまで分かっていたが、塀に登ってしまった
自分を後悔する。しかし、神楽の中には、絶対受け止めてくれると言う確信があった

後に、怒声が待っている事は、予想してそうで、予想してなかったが・・



「てめー何やってんでィ!昼間といい、今といい・・腹ン中に、ガキがいるってこたァ、十分分かってるはずだろィ」

もっとも・・。
返す言葉も無かった。一生懸命、塀の上でとかした髪は、ぐしゃぐしゃになり、総悟の部屋で、甘い雰囲気所か、正座をして、説教を受けるハメになっていた。

「大体・・何しにきやがった・・こんな時間に。風呂入った後だろィ。湯冷めして、ガキに何かあったらどうすんでさぁ」
てめーは注意力が大体のところ足りてねェ。もっと体を大切にしろ。腹でも打ち付けたらどうすんだ・・。
総悟の説教は止まらない。しゅんとした神楽から一変。もぅもぅと湯気が発しだした

何でここまで言われなきゃ、いけない?折角会いにきたのに・・せっかく・・。
あふれ出る怒り、しかしココで喧嘩をしては意味が無い。俯き、ゆっくりと深呼吸を繰り返す

(落ち着け・・落ち着くアル・・何をしに来たか思い出すアル・・)
丁寧に、目も閉じた。総悟の声は、耳に届いてない
そして、カッッと目を開けた

「夜這いしに来たアル」

「そんでお前は・・・って夜這いィィィ?!」

継続して行われていた説教の途中、あまりにも想定外の言葉を聞き、思わず聞きなおした
だが、神楽の表情は、いたって普通。冗談を言ってる風には見えない
総悟は顔を、真顔に戻した

「何いってんでさぁ。さっさと湯冷めしねェうちに、帰りやがれ」
スパンと言い切られた言葉。こちらもとても冗談を言ってる風には取れない。


にらみ合いが続いた。思わず本来の目的を忘れそうになる。
喧嘩でも、再び引き起こしそうなオーラだ。しかし、それ先に破いたのは神楽だ


「ぅを!ってェェェ、何しやがんでっ・・グエ!!」

まず総悟を後方に突き飛ばした。何をしても、どんな戦でも死なないコイツだ。大丈夫だと・・
そして、体制を立て直す前に、マウントポジションを取った

「降りやがれ」

「嫌アル」
そぅ言うと神楽は、総悟が、まだ隊服だった事もあり、スカーフをぐいっと引っ張りあげた
総悟の体は、引っ張られた反動で、強く神楽の方へと近づく。
神楽は、その近づいてくる唇を、ぶつけるように、自分にと重ねた

「んんっ。おまっ!やめ・・んんん」
総悟は、両手で、神楽の肩を剥がしにかかる。しかし、神楽の肩は動いても、重なった唇は動かなかった
角度を変え、神楽は、奥にある、総悟の舌を、絡ます
無言の神楽と、止め様とする総悟の声。唾液が絡まる音が、響く
総悟の力なら、正直、簡単に剥がせる神楽の体。絡まる舌が嫌ならば、口を閉じればいいだけの事

それでも、やっぱり絡めてたのも、引き剥がせずに居たのも、心の奥底では、望んでいた事だったからに他ならなかった・・

しかし、それでも、やっとの事で、神楽が、唇を一度引き離した

どれほど強く絡ませたかと言うほど、二人の息は上がって、もはや肩で息をするほどだった

「何考えてやがる・・腹ン中には、ガキがいるんでィ。盛ってんじゃねェ」

冷静な総悟の一言、カチンと来た神楽は、丁度台の上で、整理してたであろう、その書類を、がしっと掴み、その束を、総悟に向ってぶつけた

バラバラと、あちらこちらに、ひらひらと書類の束が、舞う
書類にまみれて、互いの顔が見えず、その中から、総悟の罵声だけが聞こえた

「何しやがんでィ、このクソ女ァ!土方のやろう・・に・・」

言葉は最後まで終わらない内に、途切れた。
書類が全て舞い落ち、自分と神楽の周りを埋め尽くした後に現れたのは、神楽の泣き顔。クシャリと歪んだ顔を、両手で隠し、マウントポジションをとったまま、微動にせず、そこで嗚咽を漏らし始めた

「っ・・・だって、お前・・他の女で・・・っ・・・そう言う店に行って・・シテルんだろ?」

肩は小刻みに震え、手からこぼれた涙は手首の筋を通った
相変わらず、泣き声のやまない神楽の元に聞こえてきた総悟の声

「何でバレたんでさぁ」

ピタリと肩の震えが止む。鼻のすする音が無意識に響く
ショックだった。半分信じていた気持ちを、あっさり翻されて、涙も止まるくらい・・ショックだった
翳す両手の奥で、見開いた蒼い瞳・・・震えも・・時間も・・神楽だけが止まった


「そう言う店に行った・・戸口までな。ただ、テメーの顔が浮かんでどうしても先に進めなかった・・」

一瞬止まった時間が再び動き出した。思わず両手を退ける。目の前には、自分と同じ目線の総悟・・

「だったら・・余計におかしいアル・・こんな長い間・・お前が我慢できる筈ナイヨ・・他の女としてたアルカ?浮気してたアルカ!?」

泣きっ面で思わず叫んでた。だってそれしか思い浮かばない・・まさか、せずに何て、コイツに限って考えられない・・

「浮気っつ~か、別れてたし。ただ・・我慢できねェのは、確かにあたってらァ、俺ァ自分で処理してたからな・・テメーで・・」

さらりと言ってのけた総悟だった。しかし神楽は意味がよく理解できなかったらしい
首をかしげ、考えこんだ、そして、次の瞬間、百面相の様に、ぼはっと赤くなった。火照った顔は、更に火照る。

「ななな自分でって・・・わわわ私でって、何を想像してやってんだぁぁぁ」
思わず振り上げたて、ぶんと総悟の方へと吹っ飛ぶが、意図も簡単に、それを受け止めた

「何って、オメーだって、それが分からないウブな女じゃねぇだろィ?やりまくってたんだ・・ぶふぉぉ!!」

「言わなくても分かるアル!なななんで、一人で・・少なくとも今は・・」
言葉を濁らす神楽に付け加えるように、総悟は口を開いた

「馬鹿かオメーは。触れるとしたくなる、だから触れなかったんだろィ。今は腹の中のガキが一番じゃねェか」

思わず、口をあんぐりと開けた。
ただひたすら我慢をしてたのだろうか。触れるとしたくなると言う事は、少なくとも自分にあきたわけではなさそうだと。しかも、お腹の中の赤ちゃんを、コイツが気遣うと言う事自体、信じられないような事だった

思いがけない所で、総悟の赤ちゃんへの、愛情の深さを知った神楽だった・・・

・・・・To Be Continued・・・・・


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Category: ★十月十日(hit小説)
Published on: Fri,  21 2010 14:12
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2 Comments

桜アップルパイ  

愛しすぎ☆ちょっとした要望的な((笑

ふ~む、なるほどね~…総悟クンは本当に神楽の事が好きなんだな、愛しすぎとも言えるな!!!

でも、やっぱ総悟にはさかっていてもらいたいな!!!!
赤ちゃんを気遣うなんて…えらいよ!えらいけど…
なんか、総悟の中で赤ちゃんが1番で神楽が2番って感じ!!ダメだよ、ダメだよ、そんなの!!!!
総悟の1番は神楽でなくっちゃぁお母さんは許しません!!!!!!((笑

やっぱり総悟は、自分の赤ちゃんにも嫉妬しないと!!!!
「そのポディション(神楽の1番)だけは譲らねぇ」的なこと言ってほしい!!!!

続き楽しみにしています!!!!!!!!!!!

2010/05/21 (Fri) 20:57 | REPLY |   

カズエ  

いい男だあああ(^w^)

沖田ぁぁ!!
いい男すぎる!!!
さらっといいのけたとこもいいですね
めちゃくちゃ照れる神楽ちゃんも可愛い

2010/05/21 (Fri) 22:51 | REPLY |   

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