隣のあいつ 番外編 act 2 後編

読者の皆様
いつも読んでくださってありがとうございます☆

続きを読まれる方は
ぜひ、コチラからどうぞ
(えんぴつマークの英語のところです)
↓↓↓↓↓↓↓↓
「ちょッ痛っ! 痛いアル!」

言葉の出ない神楽をそのまま部屋の中へと引っ張り込む沖田。ドアはゆっくりと閉まっていき、ガチャンと言う音のみが部屋の中で響いた。
乱暴な沖田に反抗を表す神楽だが、簡単にリビングに連れてこられた。
一際大きな声で神楽は離せと言うと、同時に手を振り、沖田の手から逃れる。
冷たい目で見る沖田に怯むが、負けてたまるかと口を開く。

「何でそんな目で見られないといけないネ! ちょっと買い物に行って、ばったり会った銀ちゃんに送ってもらっただけアル!」
叫ぶ様に話す神楽に負けじと沖田は口を開いた。
「俺が帰ってくるまで待てばいいだろうが!」
「いつ帰ってくるかも分からないお前を何で待たないといけないアルカ!」
「だからって一人で行くことねェだろィ! 会ったんじゃなくて、呼んだんじゃねぇのか?!」
「はァ?まだ銀ちゃんとの事を疑ってるアルカ? 全然私を信用してないアル!」
「その台詞そっくりそのままかえしてやらァ。オメーだって全然俺の事信用してねェだろうが!」
「信用されない様な行動取るからいけないネ!」
「そりゃお前だって言える事だろうが! あんなにべったりくっ付きやがって!」
「銀ちゃんは家族アル!変な目で見る方がおかしいネ!」


そこまで言ったところでお互いに息が切れ、言葉が止んだ。
今日の計画も、お妙のアドバイスも、銀八のフォローも全く意味がなくなった。
落として、粉々に割れて、破片が散らばって、ぐちゃぐちゃで、修復不可能。
神楽は沖田の横を通り抜け、ソファの前に立った。沖田は神楽の背中を見る。

(何で? 何でうまくいかないアル。まるで、こんなのまるで神様が)
一気に高ぶった感情は、上へ上へと上がっていき、唯一外に出られる所まで登ってきた。
押し寄せる様に溢れた涙は、何が原因で流れているのか、神楽自身ちゃんとした答えを見つけることが出来なかった。


背中が震え、涙を拭うしぐさが背中越しに伝わると、沖田は神楽に近づき、その肩に手をかけた。
だが、神楽は鼻をスンと鳴らしながら、左手で口と鼻を覆い、背を向けたまま、右手で沖田に待ってと手をあげた。
「っごめ……一人にして……本当にゴメっ」
息を詰める様な声に、沖田は苦みばしった表情をしながらその肩の手をそっと離す。
その離れた手をもう一度神楽の肩に置こうとする。その手をぎゅっと握り締める。そしてそのまま背を向ける。
震える背と、ぐちゃぐちゃの感情の背。似てるようで、真逆の様なその背は、一つの部屋で離れて行く。

崩れる様に神楽はその場にへたり込む。その背にはガチャンと言う音だけが振動し響いた。

.....




狂う感情。
そんなモノに自分が出会うとは正直思ってなかった。
その感触に触れたくて、その表情を自分だけのモノにしたい。
そんな事、とうの前から思っていた。そして俺は手に入れた。そう、しっかりと。この手に。
だが、手に入れたと思ったその『形』は、まだ不完全だった事に気付く。
終わりだったと思ったその形は、其処が始まりだった。

この手の中だけに閉じ込めたい。些細な俺の願いは、叶えられたと思っていたが、それは勘違いだと今更気付く。
何一つ。変わった様で、変わってない。だから、俺だけの特別が欲しかった。
だがそれは今は叶わない望みとしる。その望みはいつ叶えられるか分からない。今叶えられるかも知れないが、
それはまだまだ先かもしれない。

狂いそうだった。

確かに、俺は、確かにそう思った。
むりやりその願いを叶える事は容易い事だった。ただし、叶えた後、影も形も残らないまま消滅してしまうと言うその言葉を引き換えに。

俺は徹した。
ならば意識しなければいい。そう思う。が、それは難しいとすぐに気付く。
それは確かに自分の手の中にあるのか? 時折心配になり確かめてみるが、それは確かに自分の手の中にあると知り、安心する。
その狂気ともいえる感情を殺し、ただひたすら待つと言う拷問に挑戦する。

しかし、その中で小さな変化を見つけた気がしたのだ。
ほんの小さな小さな変化。気付かなくてもいい位の変化。
あいつの口。目。手。
何が違うと気付く。
何か今、たった今自分の手の中からすり抜けなかったか…?
....


沖田は神楽の部屋の玄関の前、ドアにもたれかかりながら、その自分の手をゆっくりと見つめた…。



何が、一人にしてヨ。泣いちゃうくせに、寂しいくせに、逢いたいくせに。
嫉妬ばっかり、狂いそうになる。誰にも、誰にも触れさせたくない。
あたしだけのモノに…。
自分で作った鋼の鎖を、今ほど憎む事はない。出来ることならあの頃の自分に言ってやりたい。

その行為自体は同じでも、其処には裏と表、光と影ほど違う意味が存在すると言う事。
たった二人のためにならば、その行為は最上級の愛にと変化さへ成し遂げることが出来ると言う事。
教えてあげたい。不安にならないでと。
教えてあげたい。かならず後悔すると。

自分が作った鎖だからこそ、その外し方を知ってるのは、唯一自分だけ。
なのにどうやってその鎖を外す鍵のありかを探す事すら分からない。

助けて。ねェ。助けて。とっくに答えは出ているのに、何故自分が立ち上がれないのかが分からない。
馬鹿な事ばかりやってないで、直球勝負すればいいなんて事は分かってる。
でも、言えないのが女心でショ?勝負するのが恐いなんていったって、笑ってゆるして欲しい。

でも、あたしは、聞きたい。その唄を聞きたい…。
ねェ、息吸って、ほら、吐いて。
ねェ、神様あたしに勇気を頂戴。言葉にする勇気じゃない。素直になる勇気を、ちょうだい。

...

そしたら、神様がきっとご褒美くれたの。
だって、いきなりドアの開く音が聞こえたと思ったら総梧がぎゅって抱きしめてきた。

「悪りィが、一人にはできねえ」
背中にあったかい温度が触れて、耳に息がかかって、体が、とってもあったかくなってきた。
言葉にする勇気がなくても、せめて…。



神楽は、もがくように沖田の手の中でぐるりと回った。向かい合わせになったその顔に、まずはちゅっと。
驚いてる沖田のほっぺに、またちゅっと。
細い手を首に絡ませて、またちゅっと。体をピタリとさせてまたちゅっと。

そこで一旦やめ、神楽はうつむく。沖田は神楽の髪を耳にかける。
神楽はゆっくりとその顔を上げる。その唇に沖田はおうとつを合わすように埋める。

目なんか瞑って、この夢と現実の狭間にゆらゆらと酔うように二人は、その感触に侵された


・・・・To Be Continued・・・・・

Category: ★隣のあいつ
Published on: Wed,  04 2010 20:56
  • Comment: 2
  • Trackback: 0

2 Comments

りず  

待ってましたー!
二人の喧嘩はやっぱりこちらまでドキドキしちゃいますね!

最終的に二人と共幸せになってよかったです^^
この前のコメ返ありがとうございました!
きちんと読ませていただきました(*´∀`*)ゞ

ツンデレ様の他の小説も楽しみに待っていますねっ!

2010/08/06 (Fri) 02:07 | REPLY |   
ツンデレ→りずちゃんへ">

ツンデレ→りずちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→りずちゃんへ">

あぁっぁ!!
また遊びに来てくれたんだぁぁ★
嬉しい i-237

元祖じれったい沖神ですから♪
あっ。コメを読んでくれたのですね!
ありがとうぅぅ★

言い合って、喧嘩して、でも仲直り出来たときは
いつもその前の自分達より素敵な関係
なれてる…そう思いますi-179

2010/08/06 (Fri) 20:06 | ツンデレ→りずちゃんへさん">REPLY |   

Post a comment