Sweet selfishness ~甘い我侭~ act 10

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(えんぴつマークの英語のところです)
↓↓↓↓↓↓↓↓ 砂時計の様に、サラサラと落ちていく、そのココロを、全て落ち終える前に、何とか気づく事が出来たと、男は確かに、確かに安堵し、その腕の中の華奢な体を、ゆっくりと、きつく、抱きしめた――。
はじめは、音も立てずゆっくりと。地にサラサラの砂が落ちて行っていた。気づかない間に、その砂は、山の形を造りあげた。先端を、高く、高く。音も立てず、その速度を一定に…。

 ガラス瓶の中から、砂の悲鳴が聞こえた。落ちていく、儚い心に気づいてと、その音に耳を傾けてと。しかしそれでも気づく事は無かった。山はどんどんと高くなる。山のてっぺんに落ち、さらさらとその砂は崩れていく。脆く、儚く…。

砂はどんどんと少なくなっていった。もう遅い。誰もが言った。それを、たった一つの気持ちが救った。きっかけは、ほんのちょっとの思い。それは、とても些細な事だったけれど、砂の叫びに気づいた。そして、落ちていく砂を止めた…。

良かったと…。そしてゴメン…と。

.....

シンと静まり返る車内。言葉はなく、最近入れた新曲がスピーカーから流れていた。また子は、窓の外を眺めた。色いろな形をしたテールランプが、夜の暗闇に浮かび上がる。街のネオンと、その色は重なり、今更綺麗だなんて言わないけれど、懐かしさに、窓ガラス越しの自分が笑みを見せた。

「また子。」
不意打ちで呼ばれた自分の名に、思わず驚き、勢いよく高杉の方を向いた。暗い車内、テールランプに照らされた高杉の横顔が綺麗で、思わず窓際に視線を戻した。

付き合い始めたのは、高校3年の時。始めにスキになったのは、また子の方、好きで、好きで、どうしようも無かった。しかし高杉は神楽の事が好きだった。友達と好きな人、選べなかった。何度も泣いた。考えられない程悩んだ。苦しくて、何度もミツバとお妙に助けてとすがった。それでも、また子が選んだのは、神楽だった。
何も知らない、神楽の方。

間もなくして神楽は犬猿の仲だった沖田と付き合った。喜んだ自分が浅ましかった。汚いと思った。そんな自分から逃げたくて、他校の男から告白され、それをOKした。偽った心が、何か淡い感情を生み出してくれる訳もなく、また後悔した。そんな時、高杉に告白された。嬉しかった。嬉し過ぎて、泣けてきた。

相手の男の方に何度も、何度も断った。ごめんなさい。言い続けた。

笑った。幸せだった。そう確かに。でも、本当は心の隅に、いつだってあった。不安の塊。おまけに距離まで開いてきた。神楽と話していても、本当の心までは踏み込ませなかった。踏み込ませる事が、どうしても出来なかった。ひょっとして、とんでもない事しようとしてる?開けた針の跡から、罪悪感、焦燥感が広がっていってる気がした…。

「お前、何で泣いてんだ?」
肩をつかまれ、高杉の方に向かされた自分の頬が、制御出来なくなった涙のせいで濡れている事に、たった今、気づいた。頬を必死に拭ってみながら、いつから涙が流れていたのかと考えた。細い手首、男の骨ばった手が、掴んだ。涙をそのまま置き去りに、高杉の親指がまた子の頬を拭った。そっと下からすくわれた柔らかい唇を、赤信号の明かりが淡く照らしていた…。

唇を重ねても、涙は止まらないまま、顎を伝った。体の内側に溜まっている涙を飲み込めないかと、喉をならした。その音だけが響き、まるで何事も無かったかのように、涙は流れ続けた。
「そんなに辛かったのかよ。」
そう、でも、違う。また子は瞳を閉じた。不安だと心が切れた。考えないようにしていた事、絶対的な存在の神楽に、変な感情を持ちたくなくて、チクチクとささる痛みを、トゲトゲの入れ物に居れ、ココロの奥底へとしまった。その宝箱に、パンドラと名前を付けて…。
 涙は止まらない。
 「また子。」
高杉は自分の名を呼んだ。絶対的に信じれる程、まだ重ねてきた月日が長いわけじゃない。始めから、どうしても、聞きたくて、聞けなかった言葉。いっちゃいけない。口を塞ぐ自分と、もう限界だと泣き叫ぶ自分。高杉は細い道を抜け、ひと気のない炉端に車を止めた。車内のオレンジ色の光が、また子の濡れた顔を照らした。
「一体ェ、どうしたんだ。」
ふるふると首を振った。
「黙ってちゃわかんねェだろ。」
顔を上に向かせようとしてみたが、その手を払いのけられた。そのまま、ぎゅっと両手で高杉のシャツを握った。くしゃり、力を入れた。
声を上げて嗚咽を出し始めた。華奢な左手は、次から次へと溢れてくる涙に必死にあてられた。
「あたし…。の事、好きっスか?本当に、ほんとっ…に…?」
「何言ってン――。」
「あたしは、神楽ちゃんの…っ。神楽ちゃんのォッ…代わりっ――。」
また子の言葉、目を見開き、その直後、言葉が終える前に、噛み付くように重ねられた。また子は思い切り、体をよじった。その体を痛い程に力を入れた高杉の手が掴んだ。それでもまた子は嫌だった。
あやふやにされた自分の問いが、悲しくて、辛くて仕方なかった。また子は両手で高杉の胸を押した。高杉はその細い手首を助手席、身を乗り出し、体を重ね、縫いつけた。
「ふっ、ふぇぇ…。伸介のばかっ。嫌い、嫌いッス。手首も痛い、ココロも痛い…。痛すぎて、おかしくなりそうっぅ…。」
掴まれた手首が、やんわりと解かれた。柔らかい腕が、自分の体を優しく包んだ。ぎゅっと抱きしめられた。上唇をぱくっと甘噛みされた。
下唇を舐められた。その舌はそのまま中へと滑り込まれた。生暖かい感触がザラリと舌の上をなぞった。鼻から艶かしい声が漏れた。その音に、舌が絡まる音が重なった。痛い程の何かが、内側から、駆け巡った。体は疼いた。その唇は糸をひきながら離れた。

潤んだ瞳で見上げた男の片目、開かれた口から言葉が出てくるまで、後、数秒…。


・・・・To Be Continued・・・・・

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Category: ★゚・*:.Sweet selfishness ~甘い我侭~.:*・゚
Published on: Mon,  04 2010 22:08
  • Comment: 2
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2 Comments

真奈美  

また子も苦労したんだね・・・
なんだか読んでて泣けそうだったよ

2010/10/04 (Mon) 22:51 | EDIT | REPLY |   
ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

ツンデレ→真奈美ちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

皆言わないけど、それぞれ葛藤する部分があって、
それを抱えながらいきていく。

だから、こそ、赤ちゃんが愛しくて、大切。
このショートストーリは、物語をすすめていく前に、
どうしても、書きたかったんです^^

誤解がとけて、よかったね。また子ぅ!

2010/10/18 (Mon) 15:38 | ツンデレ→真奈美ちゃんへさん">REPLY |   

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