石榴の花の蜜 act 2

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(えんぴつマークの英語のところです)
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街を歩くと、行き交う人の視線が、いい意味でも悪い意味でも新撰組に向けられているのが、千鶴に分かった。
通りすぎる間際に、まるで聞こえる事が分かっている様に囁く陰口。確かに【まっとう】する上で、多少強引さが目立つ事もしばしばあるし、もっといえば、隊士の末端まではその目が行き届かない所もある事も確かな事実であって…。
新撰組の名を使って悪どい事をする隊士も存在しているが、影でこそこそするので、特定する事が出来ず、そのままずるずるの野放し状態になっているのが現状だった。勿論そんな奴らばかりではない事をしっている人も居る。だからこそ、敵意の目と好意の目が入り混じっていたのだった。

そんな中で、極少数だが、それとは全く視線の類も紛れていた。
それは主に、第一線で動く男達に向けられる視線…。この、隣に居る、沖田総司に向けられる、視線。

「お、沖田さん…。何か見られてますけど…。」
「あー。僕が色男だからね。気にしなくていいよ。」
「気にしなくっていいって…。沖田さんは気にならないんですか?」
街娘の視線を、全く気にする風もない沖田が不思議で千鶴は歩きながら首をかしげた。
「んー。気にならないって言うか、どうでもいいって言うか…。」
本当にどうでもいいそぶりを見せる沖田に、思わず千鶴は呆れたように息をついた。
普通の街娘、少し物が良さそうな生地の着物をまとう娘、そんな視線が何故きにならないのかと不思議でたまらない。巡察の合間、ガラの悪い男に絡まれていれば、それを助ける事もよくあって、そんな時、女の視線がほぅっと目を細め見てるのをよく目にはする、が。しかし、見ていて、そんな女に靡かない沖田の事を誇らしく思う自分がいるのも確かだった。

実の所、沖田が女を助けるというよりは、そんな女を見過ごすことが出来ない千鶴を助けに入ると言った方が、ずっとしっくりきた。ゆえに沖田はいつも助けに入るとき、深く呆れの入ったため息を漏らすのが癖だった。
今の様に…。

「止めてください!」

たった今横に居たと思った千鶴が早くも居ない。またかと頭をかかえたくなりながらも沖田はキョロキョロと視線を動かすと、案の定、居た。
いつもの様に、絡まれている娘の前に立ちふさがり、手を出させないとばかりに両手を広げ。相手の男の方は目を細くし、千鶴を見下ろしている。やれやれと思いながら足をふみだしたが、すぐに止めた。この際、ちょっと見てみようと言う気になったのだ。いつもいつも手をだしてしまうが、元々は千鶴が好きで、と言うか性分で首をつっこんだものであって…。距離を置いたその場から沖田は腕を組み口元に笑みを浮かべ様子をうかがうことにした。

「何だ、テメーは!」
男は唾を飛ばしながら千鶴に凄みながら声をあげた。全く千鶴は臆する事なく、そして沖田の方を見るでもなく、強い意思をもった瞳で男を見上げている。その後ろでは娘がヒィと声をあげ、体を震わした。
フーン。中々やるじゃん。
沖田は興味深そうに千鶴を見ている。
全く瞳の意思をまげる事ない千鶴を男が見ると、ぐぬぬと歯をならした。しかし次の瞬間、男は動きを止めた。そして千鶴のてっぺんからつま先を品定めするように見てきた。
そしてまもなく、千鶴を見下ろしながらにやりと笑ったと思えば、千鶴の腕を離さないようにぐっと引いた。
「テメーみてェな野郎は、この俺様がボコボコにしてやるよ。」
「は、離してください。」
これに慌てた千鶴は思わず声をあげたが、そんな事しるかと言う様に、男は千鶴の襟首をぐっとひねり、連れて行こうとした。千鶴は開いた胸元を必死に隠そうとした。その様子をみている目の前の男と、視線がぶつかった。男の狙いが分かったように、恐怖の色を瞳に宿した。咄嗟、沖田の名を呼ぼうとしたが、口が震えて声が出なかった。少し浮いた自分の体、つま先を浮かされバタバタともがく。その千鶴の背中に、やっとの事で声がかかった。

「その娘、何処につれて行く気?」
思わず同時に振り向いた男と千鶴の視線の先に、いつもの様に口元をあげ笑う沖田が居た。
「沖田さん!」
千鶴は思わず声を張った。男はぱっと千鶴を離し、沖田の所へと。
「俺はただこの野郎にお灸を―――。」
「野郎ね…。野郎相手にどんな視線向けてんのってね。」
いきなり沖田の視線が鋭くなったかと思えば、気が付いた時には男の喉元には刀の切っ先。
男は生唾を飲んだ。
「だ、だから俺は――。」
沖田は左手でぐいっと男の襟をひっぱり、耳元に口をくっつけた。
「この娘に何かしたら、俺が切っちゃうよ――。」
背筋がピンと伸ばされ、沖田が手を離したと同時、千鶴の方を一度も振り向く事なく、バタバタと逃げていった。

スッと刀をしまうとそのまま千鶴の前にと数歩歩いた。

「千鶴ちゃん。君、危なっかしいよね。僕がいつも側に入れるわけじゃないんだ。もう少し行動を控えてくれない?じゃないと巡察には連れていかないよ。」
思ったより、冷たい声が、沖田自身驚くくらいに出た。視線もそれに伴って、冷めていた。
「はい…。すいませんでした…。」
俯いたまま小さな声で千鶴は言った。
冷ややかな言葉が出てしまった事に、今更なんでだと沖田は思った。ほっとく事はせずとも、いつもみたいに助けて、ケラケラと笑ってすませばよかった。しかしそれが出来ないのは、思ったより、さきほどの男の行動に自分が面白くない感情を持っている。もっと言えば、怒りさえ覚えているからだった。それに気付いたが、すぐに気付かない振りをした。そんな心理状態のまま、隣を歩く千鶴をみた。

震えていた。

しっかりと襟元を押さえ、俯いて…。

先ほどの言葉の中に、かなり私用事情が入っていたのも確かである沖田は、まいったなと顎を描いた。
息を吸い、長く吐き出した後、千鶴の肩を持ち、引いた。
「千鶴ちゃ――。」

千鶴は泣いていた…。


・・・・To Be Continued・・・・・
Category: 初めにお読みください
Published on: Thu,  18 2010 21:28
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4 Comments

真奈美  

あーあ。
千鶴泣いちゃったよ;;

2010/11/19 (Fri) 18:52 | EDIT | REPLY |   

きょん  

ちちちちちちち千鶴ちゃん!
千鶴ちゃんなら「平気です!」って健気に言い張るだろうな…………
沖田さんは子供っぽくて嫉妬深くてでもポーカーフェイスをたもつと言うか余裕そうに笑って…………
あのアニメの、「近藤さんが守った土方さんなら、僕も守らなきゃいけないよね」
って!
決して手が離れないように刀と手を縛り付けて、そして灰になって消えた…………
沖田のゲーム絵は最高です!!カズキヨネさん万歳!
やっぱり薄桜鬼最高ですよね!
アニメ派は平ちゃん好き多いですよね。
作画がアニメで崩壊してないですし。
私の先輩に平ちゃん大好き!!!な方がいらっしゃいました。
「可愛くてカッコイイ!!」って今日盛り上がりました。

2010/11/19 (Fri) 22:02 | REPLY |   
ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

ツンデレ→真奈美ちゃんへ  

Re: タイトルなし

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千鶴は、強い子なので、めったに泣かないとは思うのですが
だからこそ、脆い部分は強いと言うか
一度崩れそうになると、其処からは以外に早そうだとも
思えたり…。

とにもかくにも、ココから
沖田がどうでるか…。何ですけど
私もまだ考え中(笑)
いや、でも、ココの話は、初め微妙にスタートして
書き始めると、洪水の様に後から溢れてきて、面白かったです^^

2010/11/30 (Tue) 00:53 | ツンデレ→真奈美ちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">

おぉぉ!可愛くて格好いいと言っている
その先輩に是非お会いしたいものです 、ハイ ( ̄∇ ̄=ノ

あたしも、髪をばっさり切った平ちゃんが
どうしてこんなに好きになったのかと思うほど
好きです (照)

あっ。勿論沖田さんも好きですよ。
てか、薄桜鬼のキャラはみんな好きです^^
最後、灰になって消えた沖田さんの場面で
目が潤みました。
土方さんの後ろ姿は切なすぎました…。

2010/11/30 (Tue) 07:45 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   

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