風花と乙女心 act 3

読者の皆様
いつも読んでくださってありがとうございます☆

続きを読まれる方は
ぜひ、コチラからどうぞ
(えんぴつマークの英語のところです)
↓↓↓↓↓↓↓↓



「これ、どうしたんですか!?」
開け放たれた障子の向こう側にあるのは、そこそこ上等な着物だった。
土方をそのままに千鶴は思わず駆け寄った。
クリーム色の生地には大きく桜が描かれている。袖にちらばる桜の花びらは千鶴を虜にした。
長らくこんな着物を着ていなかった千鶴にとって、その着物は嬉しくも、恥ずかしさもある一品であった。
「これ、もしかして……」
千鶴の言葉に土方は無言で頷いた。
「何もずっとそんな格好でいさせるつもりはねェ。しかし承諾したからには、お前にもそれらしくしてもらう必要がある」
土方の言葉を最後まで聞き、千鶴は再び着物へと視線を移した。
「こんな素敵な着物……。本当にいいんですか?」
「いいもなにも、俺が用意したんだ。オメーが気にする必要はねーよ」
土方は着替えてみろと千鶴に言った。千鶴はゆっくり頷いた。土方はそっと障子を閉めるとそのまま皆の居る場所にと足をすすめた。




「しっかし土方さんの女房役を千鶴がねー」
にわかに信じられないと平助は首をかしげた。そしてそれに賛同するように長倉新八、原田左之助などが、顎に手をやり考えるそぶりを見せた。

「千鶴ちゃんで、上手くこなせると思う?」
沖田が面白いオモチャを見つけたように口元をあげ土方に聞いた。
「聞くもなにも、千鶴しか適当な相手がいないんだから仕方ないだろう」
土方の声を出す前に、斉藤が言った。

「でも、別に千鶴ちゃんじゃなくても、一週間だけでいいなら街から適当な女を買ってきてもよかったのに、なんでだろう…ってね。ねぇ、土方さん」
面白くてたまらないように沖田は笑みを見せた。土方は胡坐を組んだまま目を瞑り黙っていたが、ゆっくり目を開いた。

「確かに他の女でもよかったが、俺たちの事を一番熟知しているのは千鶴だろうと思っての判断だ」
土方の言葉に、沖田は不満がある様にふーんと後ろの障子にもたれた。
「しかしどんなに千鶴が上手くやろうとしても、オメーらの協力がなけりゃ上手く事も運ばねェ。近藤さんの顔を潰さない為にも、今回の作戦を成功さす必要がある。皆、頼んだぞ」
分かってるとばかりにそれぞれが手をあげた。
いつのまにか作戦、いわば任務の様になってきた今回の騒動だが、その中でも、幸か不幸か、千鶴の淡い気持ちに気付いている人間も居た。

先ほどから、土方に何度もちゃちゃを入れている沖田と、何も考えて居ないような終始平然とした態度だった斉藤…。

以前から千鶴の言葉に出さない気持ちに二人は気付いていたが、それについてどうこうするとか、お節介をやくなどと言う事はしなかった。しかし今回の事は、なんといっても土方自らが千鶴に頼んだ事であって……。少なからずこの奇妙な出来事に、運命と言う言葉が頭をよぎった。
ひょっとすれば、ひょっとする方へと人生の秒針が進むかもしれないと……。

沖田が意味しげに口元に笑みを浮かべ、斉藤がそれを無表情で見つめていると、障子の部屋にスッと影が映った。
皆が一斉にそちらを向いた。障子の向こうのシルエットが動いた。
柄にもなく緊張している様なその姿は、おずおずと障子をあけた。

けっしてきらびやかな感じではないが、土方の用意してくれた着物をしっとりと着こなし、一本だけ持っていた簪で器用に髪をまとめ、一つに結い止めていた。それでも零れた髪が微かに首筋に垂れ、得も知れぬ感情に、皆が皆、襲われた。

袴を履いている千鶴には到底想像できなかった、【女】としての千鶴が其処にはいた。
綺麗に化粧を施したわけでもない。先ほどと変わらない千鶴がいるにも関わらず、たった一枚の着物と器用に纏められた一枚の簪としな垂れる細い髪が色香を醸し出したのだった。

「す、すいません……。久し振りだったので、遅くなっちゃって……」
皆の反応が恐く、障子を開けた時から瞳は瞑られたままだ。千鶴が言葉を発したにも関わらず一人の声も帰ってこない。千鶴はゆっくりと目を開けた。

平助、原田、長倉は容易く想像出来る様に口をポカンと開けている。
沖田はものめずらしそうに千鶴を一通り見た後、どちらかと言えば別の方に興味があると土方の方に視線を移した。斉藤はといえば、中々崩れないポーカーフェイスは、やっぱりここでも崩れなかったらしく無表情だった。とゆうか、どうでもいい感がある。そして、土方はといえば、平助達の様に唖然とする訳でもなく、沖田の様に口元に笑みを作るでもなく、どちらかと言えば、斉藤の様にこれと言った表情がないままだった……。



・・・・To Be Continued・・・・・
Category: 初めにお読みください
Published on: Wed,  24 2010 16:47
  • Comment: 6
  • Trackback: 0

6 Comments

きょん  

沖田さんと斎藤さんという組み合わせはちょっと良すぎるですな
千鶴を応援し隊とか結成しそうなのはその他三人ですけど。
土方さんは内心ぐはってなっとればいいぜ( ̄∀ ̄)という私です

2010/11/24 (Wed) 18:06 | REPLY |   

真奈美  

袴じゃなくて着物姿の千鶴...
ドキッとするシチュエーションww

2010/11/24 (Wed) 18:21 | EDIT | REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">

千鶴応援し隊!!

いや、マジで作るよ、あいつ等はぁぁ!
そんでめっさ空回りしてそう!
そんで全部むちゃくちゃにしてそうだ(笑)

ちなみに斉藤さんは冷静にサポートしてくれて
沖田さんは、サポートしてるか遊んでるのか分からない
感がいいかなと。

うん。確かに、ある意味最強の二人ッス ヾ( ̄∇ ̄=ノ

2010/11/30 (Tue) 22:20 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

ツンデレ→真奈美ちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→真奈美ちゃんへ">


個人的にお千ちゃんが好きです★

可愛いし、優しくて強くて。
千鶴もあんな感じの髪型だったらなァなんて
考えながら書いたんだぁ。

よくいる江戸の女の髪型って…。
正味の所、どうやって作ってるんだろうね。
こればかりはあたしも分からなくて、簪をつかって髪を
とりあえず一つにまとめてみた(笑)

2010/11/30 (Tue) 22:23 | ツンデレ→真奈美ちゃんへさん">REPLY |   

きょん  

私もお千ちゃん大好きです!!!女キャラで一番。
最近お千ちゃんしか描いていないと言う…………
授業ノートお千ちゃんだらけです

2010/12/01 (Wed) 14:30 | REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">

>
お千ちゃんはね、本とに好き、
ビジュアル的な部分をみれば、正直
千鶴よりすきです。

かわゆくてかわゆくて…。
当初お千の事を千鶴を陥れる敵だと思っていたんですが
いい意味で裏切られて良かったと思います^^

つーか、お千ちゃんかくんだあぁ!
あたし絵はからっきしなので、うらやまし過ぎる!ww

2010/12/01 (Wed) 18:19 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   

Post a comment