木賊色の唄 act 4

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「左之さん。もうそんぐれーでいいんじゃねーの?」

胡坐を組み、左之助の方をじと~と平助は見ている。
左之助はといえば、自分の肩にかかる、柔らかな手先の温度と軽い指圧に大げさに声をあげている。
初めは嫌がっていた千鶴だったが、いつも自分は守ってもらってばかりだからと、せっせせっせとそれに励んだ。
あまりに一生懸命やるので、額にはじんわりと汗が浮かび、それを手で拭いがら続けた。

千鶴が行くならと平助もついて来たが、実際の所、肩など若さゆえに揉んでもらうほど凝ってはおらず、ゆえにこうして先ほどから、二人の光景をただただ見るだけになってしまった。しかし十五分もしただろうか、平助が明らか苛立ちを見せ始めたのだ。そして其処からさらに五分たった今、口を開いたばかりだった。

「オメーも揉んでもらえばいいじゃねーか。」
口元をヒクリとあげながら左之助は意地悪そうに平助に言葉を出した後、今度は腰を頼むな、と横になった。
千鶴はと言えば、馬鹿みたく真面目にハイと返事をし、腰の横に座り、一生懸命指圧に励んでいる。
「つーか、こんなの千鶴じゃなくてよ、新八っつァんとかに頼めばいいんじゃねーのかよ。力も強いし。」
あっと千鶴も平助の言葉に、思わず同意を見せた。
「ばっかだなァ。ただがむしゃらに揉む男(ヤロー)より、千鶴みたく一生懸命揉んでくれる方がずっと心がこもってて気持ちがいいんだっつーの。」
言うと、手をとめた千鶴に、再び頼むと声をかけ、千鶴はまたハイと頷き手の動きを再開させた。
何を言っても、うまくかわされる平助のイライラはどんどんと増していくのが目に見えて分かる。左之助はたまらんとでも言う様に笑いを堪えている。

「悪いが千鶴、腰の上に乗って揉んでくれた方が体重がかかって気持ちがいいんだが―――。」

「駄目だ!!」

左之助の言葉が終わる前に平助が口を出した。
驚いた千鶴は動きをとめた。左之助は結末が分かっていたとでも言う様にイタズラに笑みを見せた。
「平助君、どうしたの?あたしなら別に――。」
「左之さん、もう十分ほぐして貰っただろ。千鶴、行くぞ。」
エッと千鶴が思うより早く、平助は千鶴の手を引き立たせた。千鶴には何も言わせない迫力がその瞳にうつし出されており、言葉を飲み込んだ。少し強めに握られたその手の意味を、本人さえ自覚していないが、仕掛けた張本人である左之助だけは見抜いており、意図も簡単に千鶴を手放し、「ありがとな。」と手をヒラヒラと振った。

その言葉に、返す時間も貰えないまま千鶴は手を引かれ、あっと言う間に自分の部屋へと連れてこられた。
千鶴を部屋に押し込むように、サッと障子を閉め、すぐに踵を返し自身も歩き出した。
その背に声がかかった。

「あの、平助君…。」
ヒタと歩く音がやんだ。が、まだその背は向こう側をむいたままだった。外は満月で、二人のいる場所からは、綺麗な月が見えた。しかしその月に気付く事はない、その月だけが、二人の姿をぼんやりと浮かべた。
「何か、怒るような事させちゃったかな。」
「別に、お前は何にもしてねーよ。」
突き放した様な平助の声だけがこちらに届いた。

何故平助が突然あんな風な態度を取って、自分を部屋に押し込めるように背を向けたのか分からない。左之助の部屋で、本当は、側にいる平助に、自身の体温が上がっていくのが分かって、だからこそ、没頭した。平常心を保つためにも…。そんな自分が何をして平助の勘に触るような事をしたのか分からなかった。
ただ、虫の居所が悪かったのか。
土方や、他の者達なら、それで良かった。ただ、平助だけは、それでは済ませれなかった。そんな事、耐えられなかったのだ。

普段男の中に混じって存在する自分と、今この場に立っている事自体恐い自分と、本当に同一人物かと思えたが、それが恋ゆえによるものだと、気付かされた。

頭の中でぐちゃぐちゃと考えている千鶴に、平助の声がかかり、勢いよく顔をあげた。
考えすぎで、近くによったことさえ分からなかった様で、千鶴は瞳を揺らした。
「あんな簡単に男の部屋に行くんじゃねーよ。俺たちは男だぞ。」
確かに、自分の行動は軽率だったかもしれない。
頭にそうよぎった。
「うん。そうだね、ごめん…。」
意識している相手に言われる言葉というのは、何故こんなにも心を締め付けるのだろうと思う程に千鶴は痛かった。千鶴の様子を見た平助が、柔らかく笑ったかと思うと、肩に手をかけた。

「ほら、風邪ひくから部屋に入れ。」
そう言いながら、今度こそ、千鶴をちゃんと部屋の中に押し込め、ゆっくりとその障子を閉めた。

千鶴はその場で俯いて立ち尽くした。
怒ってなかった…。純粋な思いと共に、やはり自分は平助の事が好きなのだと再確認した様な気がしていた。
その姿は、月明かりに映し出されていたが、障子を隔てた向こう側に居る男が気付く事はなかった。
障子一枚隔てた向こう側、先ほどすぐに踵を返した男の姿は、今現在も此処にあった。

俯いたまま、先ほど触れた肩の柔らかさと細さに、思わず自身の掌を見つめていた。
男と女の体が違うと言う事、触れた瞬間、何か自分の中で感情が揺れたこと、もっと言えば、あの部屋で既に自分の感情が制御できなくなった理由を、男は、たった今、悟った様な気がした…。



・・・・To Be Continued・・・・・
Category: 初めにお読みください
Published on: Sun,  28 2010 18:22
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4 Comments

真奈美  

嫉妬ですねぇ~(´∀`*)

2010/11/29 (Mon) 16:11 | EDIT | REPLY |   

きょん  

平ちゃんかわゆいー
年相応の?クラスにいそうな?小学生ぽい?初々しいかんじがきゅんきゅんしますぅ~!

2010/11/30 (Tue) 21:16 | REPLY |   
ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

ツンデレ→真奈美ちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

平ちゃん気付きましたね。
自分の感情がなんと名前で呼ばれてるのか…。

千鶴は千鶴で、自分の中にある
恋心を、もっともっと深く感じたみたいですし。

ここからどう書こうか楽しみです^^

2010/12/01 (Wed) 17:00 | ツンデレ→真奈美ちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">

平ちゃんはあたしの一番のお気に入り…。
あっ。ただし髪切ったあとの限定なんですけどね(笑)
基本的に、長髪の髪はすきじゃなくて。

平ちゃんが髪きったあと、
マジで画面みながら発狂しましたってw
平ちゃんのキスシーンを見た時は
何度も何度もそのシーンを繰り返してみてたと
言うね…(笑)

2010/12/01 (Wed) 17:02 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   

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