彼氏  act 15

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「ね……。沖田、銀ちゃんには……何も言わないで……。何も言わないでアル……」
神楽の言葉を聞いた沖田は思わず立ち止まった。
目の前の沈みかけの夕陽が、神楽の顔も、自分の顔も照らしていて、はっきりとはその表情が分からなかったが、ほんの微か、その声は震えていた。

ただ沖田には、その判断が出来なかった。下手をすりゃ本当に犯られてたかもしれない。
それゆえに、今回の出来事は重すぎて、軽く返事をする事が、どうしても出来なかった。
沖田の足がピタリと止まると、神楽は勿論、周りの足も止まった。
「俺には、分からねェ……。本当はどうすればいいかなんて、――だから言わないとは約束……」
「嫌アル!」
沖田の言葉を中断させ、神楽の声が割って入ってきた。沖田が神楽の方を見ると、首を大きく振っている。
もう泣かせたくねぇ。散々泣いて、散々酷い目にあったんだ……。だからもう泣かせたくねぇ……。そう沖田の中に感情が沸いた。
けれど、これは未遂だろうがなんだろうが、犯罪だった。勿論今回の事を他人に任せる気なんて、毛頭ない。きっちりと自分で片をつける気でいた。
ただ、銀八が神楽を本当に大事な家族と思ってる事は、沖田でも、周りの皆であっても分かっていた。
第一、隠し通せるものではない。隠していいものでもない……。
けれど、それが神楽の深い傷になるのなら、もう十分神楽は傷ついた。それを再び抉り出す様な事はしたくなかった。
沖田は口を閉ざしたまま、しばらく考え込んだ。無意識の内に眉間に皺がよった。
その間も神楽はずっと、お願いと首を振り続けていた。

「――分かった」
そうは言ったが、自分よりも勘が鋭い銀八に、隠し通せるのだろうかと不安がよぎった。
知られてしまい、自分がどんな目に合わされるなんて事はどうでもよかった。
実際守れなかったのだから……。歯が折れても、血反吐吐くまで、足が立てなくなるまで殴られてもそれを受け止める覚悟は出来ていた。その位の傷、何日かすれば治ってしまうのだから……。しかし神楽の傷は目に見えず、そしてもしかすれば、この先もずっと治せない傷かもしれない……。いっそ、自分にも消せない傷をつけて欲しい程だった。

不安げに自分の顔をみる神楽に、沖田が気付くと、一度喉をならして口を開いた。

「分かった。言わねーよ」
神楽に向けられた沖田の表情が柔らかかったので、神楽もホッとした表情を見せた。

沖田の隣に神楽が、その隣にミツバと土方、その後ろにはお妙達と高杉達が……。
守る様に歩いては居たが、道を歩く人の声が、時折大きくなると、その度神楽は体を震わした。
沖田は神楽の肩を抱き、破れた神楽の服や下着を見せないようにと、自分の制服ですっぽりと隠していた。
銀八が契約している神楽のアパートに着いた時、神楽はその家の一歩が踏み出せなかった。
家に入ると一人になってしまうと分かっていたからだった。
「俺が今日は此処に泊まりまさァ」
ひょうひょうと沖田が言ったかと思えば、神楽の手を引き、あっさりと玄関へと入った。
唖然としたのは周りだけではなく、神楽もだった。

「えっ……。お前……、何言ってるアルカ?」
「何言ってるって言葉通りだろィ?」
やはり沖田の態度は変わらない。
遊びに来た事は何度かある。それでも何度か、だった。それも今みたいに皆が集まる時。だから回数にしてみれば、五本の指で数えられる程度だった。そんな沖田が、今夜は泊まると言い出したのだ。
これには、周りも口を挟みだした。
「オイ、総悟。いくらなんでも、それはまずいだろう」
「何がまずいってんですかィ? はっきり言って、まったく下心なんざありやせんぜ」
近藤の言葉に、すかさず沖田が返したが、確かにこの言葉は信用できた。今の神楽に沖田が何かをするなんて事は、絶対と言っていい程、考えられない。しかしこれはそうゆう問題ではない……。

高杉と土方もそれはマズイだろうと沖田に言ってはみたが、沖田が譲る気は全くなかった。
神楽も、心底嫌がってはいないのだろう。だからこそ困っていた。沖田と土方達の言い合いを、順々に顔をうかがいながら、いつ口を挟もうかと迷っている。

それでも口を出せない神楽の変わりに、ここ一番で頼りになるお妙が口を開いた。

「分かりました。じゃァ、私達が泊まります……。いいでしょ? 神楽ちゃん」

唖然とした沖田を他所に、神楽は、やっと、といった面持ちで頷いた。



・・・・To Be Continued・・・・・
Category: ★彼氏
Published on: Sat,  22 2011 14:26
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2 Comments

きょん  

そうか、そうつなげるのか!
この状態で前の展開に持ってくのは出来ないかと思ってましたが、そうつなげるんですね!
凄いですね。
沖田は溺愛ですね(o・v・o)
そんなに想ってもらえて、それに負けないくらい思ってもらえる仲間がたくさんいて。
幸せですよね。
この傷は、癒えないかもしれない。
でも、この傷埋めるのには溢れてしまうほどの幸福があるなんて。
いいなあ。
最高な仲間がいるなんて、滅多にない。
いいなあ。

2011/01/22 (Sat) 17:44 | REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">


どんなに辛い事があったとしても、
周りに支えてくれる人がいれば、ちゃんと前を向いて歩いていけるんです^^

神楽の周りは、とっても賑やかで、でもとっても
あったかくて……。
思いっきり笑えて、思い切りさらけだせる友達がいて、

辛いものごと、包んでくれる大好きな人がいて、
本当に、幸せですよね。
支えきれず駄目になっちゃう人たちも、絶対いると思う
でも、沖田なら、きっと大丈夫だと思うんだヨ☆

沖田は溺愛……。
本当にそうだよね。

あっ……。コピー本さくさくと進めてます^^

2011/01/23 (Sun) 17:53 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   

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