Sweet selfishness ~甘い我侭~ act 35

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矢印の反対側へと足を踏み入れた沖田だったが、想像以上に道がいくつもあり、ばさっと地図を開いた。
森の中とまでは言わないが、木が入り組んであり、神楽が何処に行ったのかも想像がつかない。
何度か神楽の名前を呼んではみたが、当然返事はない。
沖田は額に手をやると、冷や汗がついていた。ちゃんとした道ではない、こんな所、自然の落とし穴があっても何ら不思議はなかった。普段の神楽なら此処まで心配する事はなかったが、落ちた衝撃でお腹が痛くなってるんじゃないかと考えると、気持ちは焦るばかりだった……。




「っクソ……。あの目狐……一発くれーしばいてやりゃーよかったぜ」
かれこれもう一時間ほど歩いている。しかし神楽は見つからない。
木を紛らわそうと言葉をわざと発してみたが、何の効果もなかった。
沖田は地図をみながら足を進める。
いくらあの神楽でも、進んでいってそれらしい物がなけりゃあ、引き返してくるはずだと思う。
けれど神楽は帰ってこない……。沖田の考えは悪い方向へと向うばかりだった。
頼みの携帯はどうやら神楽の方が充電切れらしい。
大事な時に使えない様ならば、ペラペラと話すなと苛立ったが、そもそも自分がこんな我侭を言わなければ
こんな事にはならなかったはず……。

(落ち着け……。そんなに遠くには行ってねーはずだ)
もう何度自分に言い聞かせたか分からない。
段々と気温が下がって行き、さっき風呂に入っていた体は、とうに冷え切ってしまった。
けれど神楽はそのずっと前からこの何処かにいる。
居ても立ってもいられないが、どうしようもない。
口を覆った沖田の手が、本気で震えた。紛れもなく恐怖だった。

見つけられない自分に心底腹が立ち、あの目狐に逢ったら、本気で殺意を覚えそうなところまで沖田の精神状態はきていた。

その時だった。
尻ポケットにある携帯から着信音とバイブが振動を知らせた。
神楽の携帯はもう充電が切れている。そんな事分かっていた。けれどもしかしたらどこかの公衆電話を見つけてかけてきたのかもしれないと沖田は急いで電話を取った……。





「ヤバイアル……。完全に沖田に殺されるアル……」
もう何度目になるかとため息を出したのは、言うまでもなく、神楽だった。
お腹が減ったァ……と、のっそりのっそりと歩いては、疲れたァ……と立ち止まって……。

大体食欲に負けたのが全ての原因だったと、神楽は今、後悔のまっただ中に居た。
矢印の方角へ、行ってはみたが、行けども行けども露天風呂なんつーものは見つからない。
まさか間違えたのか? 思い、すぐに引き返そうとしたが、見つけてしまったのは柿の木。
そろそろ小腹もへってきたと言う事で、ちょっとだけ拝借しようと足を向けた。

が、近くに寄ってみると以外にも柿の木が高い。
以前の神楽ならば、ひょひょいと木に登ったが、今はそうは行かない。自分のお腹の中には大切な赤ちゃんが居るのだ。きょろきょろと辺りを見渡すと、点々と続く柿の木。もしかしたら自分の手の届く柿があるかもしれない……!

――やっぱり神楽は馬鹿だった……。

気が付いた時には前も後ろも分からない状態になっており、たった今まで忘れていた沖田の存在を思い出し、真っ青になるしまつ。急いで沖田にと携帯を取り出せば、充電切れ……。迷った事よりも、これから自分に降って来るであろう沖田の雷が恐ろしくて仕方ない。

やみくもに歩いてみるが、どんどんと体力は消耗し、ちょっと満たされた腹はまたぐぅ~と音を鳴らせた。
「あいつ絶対怒ってるアル。おっそろしいアル……。きっと私怒鳴られちゃうネ。ううん。もしかしたらどつかれるかも知れないヨ。あァでもあいつはそんな事しないはず……。赤ちゃんが居るもの。でも、きっと閻魔様みたいに角をはやしてるに違いないネ!」

言ってる側から長いため息を神楽は出す。
ブルッと体も震えてきた。
「まずいアル……。此処で凍死しちゃうヨ私」
温泉に行くだけだからと薄着で来た自分を呪った。
赤ちゃんが冷えたらどうしてくれるんだ、と。

どうしたもんかと神楽が歩いていると、向こうの方からパキパキと木を踏む音が近づいてきた。
神楽はパァっと顔を明るくした。
急ぐあまり、走った。
見えて来たのは男三人。神楽はいよいよ走った。
男の元に着くころには、すっかり息をあげていた。別に男が逃げるわけでもないのに、神楽はその中の一人の両腕をガシっと掴んだ。


「あ、あの……。わ、私道に……」
ごほっ、ごほっと思わずむせた。大丈夫かと男は神楽を支えた。肩で必死に息をし、男にとりあえずすがりつく。
お腹をすりすりと、息をととのえた。

「すいません……。私道に迷ってしまったアル。できるなら、できれば、って言うか、お願いだから一緒に――――」
ずずいと顔を近づけ男に神楽は思わずせまった。
と、思ったら、その男の体がぶわっと引き剥がされた。
何がなにやら分からない神楽の体勢が崩れそうになりながら、神楽の視界に映ったのは、まぎれもない沖田。
沖田は神楽に目もくれようともせずに、しらっと腕を振りかざした。

「ちょっ……、沖田違う~~!!」

神楽の声も虚しく、振り下ろされた沖田の拳は、簡単に善良な市民の頬へ……。
神楽は思わず天を仰いだ……。



・・・・To Be Continued・・・・・
Category: ★゚・*:.Sweet selfishness ~甘い我侭~.:*・゚
Published on: Tue,  08 2011 14:44
  • Comment: 6
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6 Comments

みかん  

沖田落ち着けwwwwww
あれ、沖田に電話かけたのは誰だろう?

2011/02/08 (Tue) 16:30 | REPLY |   

きょん  

沖田また勘違い?
勘違い多すぎっ!そして神楽も沖田も勘違いのせいで暴走しすぎだっ!
まあそれだけ愛がある…………はず

2011/02/08 (Tue) 17:16 | REPLY |   

真奈美  

神楽・・・・
まさか柿の木につられるとは;;

2011/02/08 (Tue) 22:26 | EDIT | REPLY |   
ツンデレ→みかんちゃんへ">

ツンデレ→みかんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→みかんちゃんへ">

今、沖神の連載って四本してて、
最短でも、次の物語を読むには、3日かかる訳で……。

早く読みたい~~!
じれったい~~!
って言葉がよく届きます(笑)
いや、狙ってるんですよ?それを……なんて(笑)

しかも、ちょっと用事が入っちゃうと、
更新送れちゃって、とか(爆)

そのうずうずとか、ドキドキとか、私の大好物(糧)なんです^^

2011/02/10 (Thu) 10:15 | ツンデレ→みかんちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">

必ず創作するときには、音楽を流すんですが、
大体、ボカロ→ボカロ歌ってみた→邦楽(洋楽)→懐メロ→ピアノ→フルート→オルゴール……

ってエンドレスでかけたりするんだけど、
最近は、ようつべで、ハモネプを過去のものから流すのに
ハマってます(笑)

音楽がないと、創作ははじまらない!
家の家事する時は、なんと家の中で
ipot聞きながら、今日はどんな物語しようか
なんて考えながら創作してます ♪

・・・・・・・・

沖田の暴走は、今にはじまった事じゃないですよね(笑)
愛は盲目です(笑)

2011/02/10 (Thu) 10:20 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

ツンデレ→真奈美ちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

もうね……うちの神楽は馬鹿なんで(笑)

アンタ小学生じゃないんだから!
なんて声が聞こえてきそうですよね 

でも、ま、柿の木によじのぼろうとしなかった
だけでも褒めてやりたい?!
結局、神楽の届く高さの柿を見つけちゃったんだろうね。

そんで、「旨いアルぅぅ!」
なんて食べて、又、探して……。なんて
やってて、いつのまにか「アレ……」→顔面蒼白……みたいな感じです(笑)

2011/02/10 (Thu) 10:28 | ツンデレ→真奈美ちゃんへさん">REPLY |   

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