school excursion act 20

読者の皆様
いつも読んでくださってありがとうございます☆

続きを読まれる方は
ぜひ、コチラからどうぞ
(えんぴつマークの英語のところです)
↓↓↓↓↓↓↓↓

修学旅行、二日目の最後の場所は、京都デパートでの自由時間だった。
バスで到着したら最後、夕方六時まで、デパート内から出なければ、何処に行っても自由だった。
沖田はといえば、あれからずっと神楽の側にいた。
バスでの移動時間も、有無を言わさず神楽の隣にいた。
なかば呆気にとられていた神楽だったが、その態度は、恥ずかしがっているものの、嫌がってる風はなかった。
沖田なりに、沈黙を回避しようと考えたのか、デパートではまず何階から攻めて行くか、や屋上には何があるか知っているか、などと神楽に話をかけていた。

そのためか、バスを降りると、自然に二人の行き先は決まった。
ミツバ達とグループで行動するのもいいが、それぞれに好みの階と言うものがあるので、ココは一旦と皆散り散りになっていった。

エレベーターの中で、神楽が目をキラキラとさせるその視線の先には、屋上の文字があった。
「何で最初が屋上なのかねぇ?」
「だって! デパートの屋上はミニ遊園地になっている事が沢山あるって銀ちゃんが前に行ってたもの!」
「にしても、しょっぱつから行くたぁ、どうかと思いやすがね」
ぶつぶつと文句を言いながらも、結局は沖田は神楽に付き合ってくれている様で、エレベーターから降りたすぐ、神楽のはしゃぐ背中を見ると、柔らかく笑みを見せた。

「ったく……。オメーはいくつだっつーの」

自動ドアの向こう、もう既にそれっぽいものが見える。
神楽は飛び跳ねながら、その光景に声をあげていた……。

が……。

「何で……何で何も動いてないアルカ? 酷すぎるアル……」
どの乗り物の前にも、【現在整備中】の立て札がかけてある。
神楽は怒るを通りこし、切なさを増幅させ、今にも泣きそうである。
鼻までスンと鳴らしはじめた。もう高校三年生な筈の神楽だったが、本当に楽しみにしていた様だった。
「仕方ねーだろう。整備中なんだから……」
「何で? 私が来るって分かっていたはずなのに……横暴ヨ」
何で神楽基準なのか、何が横暴なのかが全く沖田には分からなかったが、どうしたものかと頭を掻いた。

大体にして、神楽は小銭など、ほとんど持っていないはずだった。
どうせ自分に出してくれと泣きついてくるとは分かって居た沖田だったが、あまりにも神楽が悲しそうな表情をさせるものだから、息をついた。
「何かうめーモンでも食やぁ、機嫌は直るのかよ」
神楽は静かに首を振った。

「フランクフルト……ソフトクリーム……アイス……ジュース……焼きそば……」
首を振っていたにも関わらず、言葉を出しはじめた沖田の方を、やっぱりと言うべきか、神楽は見た。
そして沖田の視線の先に、今まで気付かなかったが、今しがた言葉に出した野外店舗が並んでいるにも気付いた。
乗り物は、整備中だが、屋上に敷き詰められた花壇の一角。ベンチに座ってお茶をしている人を神楽は見つける。
神楽の性格を知ってる沖田は、何も言わずそちらへと歩きだした。
むろん、神楽が着いてくるのは想定内だ。

結局、テーブルの上には、サイダーと、神楽の手の中にはソフトクリームが握られていた。
あの悲しそうな表情はどこへいったやら、極上の幸せを噛み締めるように、神楽はソフトクリームを舐めている。

「お前って、本当にゲンキンな奴だな」
「ソフトクリームで機嫌を直せるんだから、私って、何て優しい奴って感じアル」
「何で俺がオメーの機嫌を取らなきゃ何ねーンでィ」
「何でって……」

言いかけた所で、確かに沖田が自分の機嫌を取る必要性はないと気付いた。
しかしなら何故、沖田はこんなにやさしいのだろう。沖田の性格ならば、腹を立てて、何処かに行ってもよさそうだ。
神楽は、しげしげと沖田の顔を見た。
「お前って、優しいのか、意地悪なのか、よく分からない性格をしてるアル」
「はぁ?!」
意味が分からない神楽の急な言葉に、沖田は顔をしかめた。
そんな沖田を放って、神楽は空を見た。

「夕焼けは、何処に行っても同じ夕焼けアルナ」
まだ陽は沈まないが、確かに夕焼けがそろそろ顔を出す時間になっている。
時間にしたって、数時間しかないこの自由時間を、此処でずっと潰してる訳にもいかず……。
「そろそろ、館内に戻りやしょう」
「えぇ?! わ、私まだソフトクリーム食べてないアルっ」
言った直後、沖田は神楽の手から、スルリとソフトクリームをとりあげ、舐めあげた。

「ぁあ!」
「何だよ。ケチくせー奴でさァ」
「そう、そうじゃなくて……あの……」
「ぁあ? 何言ってんでェ」
「か、かん、間接……」
神楽が何を言おうとしているのかを沖田は気付いたらしい。

途端に、口元をあげた。
「何かと思ったら、間接キスってぇのか?」
あうぅと神楽は俯いてしまった。
ここはサド心に火をつけてしまったと言っても良かった。
沖田は一度足を止め、俯いてしまっている神楽の前に立ち、その顔を覗きこんだ。
「けど、さっき既にしてやすぜ? 間接、じゃないやつをな」
恥ずかしさのあまり、神楽はわっと顔を隠してしまった。
あの時の事を思い出してしまったらしい。沖田が面白そうに一歩近づくと、それを察知した神楽が、じりっと一歩下がった。また沖田が一歩進む。すると神楽はまた足元を確認する様に、ゆっくりと足を後ろにずらせた。

恥ずかしがっているその神楽の様子が、沖田の中にある何かを、先ほどから刺激している。
それを最初、サド心かと沖田は思っていたが、どうやらそれとは違うものらしい事に気付いた。
その俯く姿を見るだけで、その顔を隠すしぐさを見てる間に、どんどんと心をくすぐられる。

男心を……。

神楽に触れたい……そう思った沖田は無意識の内に神楽にと、また一歩近づいた。
やっぱり神楽は後ずさりをする。しかし顔を覆っている所為で、うまく感覚がつかめず、足を下でもつらせた。
神楽が後ろにぐらつく……。

気付いた時には、沖田が背中に手を回し、抱き締めるように、支えていた。
これには、正直沖田も、無意識のことだったので驚いていた。神楽が倒れてしまうとおもった瞬間には、手が出ていたのだから……。

神楽の背中に、夕陽が温かく当たる。

「ごめん――ありがとぅ」
小さく謝った神楽の声は、儚かったが、沖田の耳にと届いた。
ばっかじゃねーの。気をつけろィ。あぶねェ奴。ドジ。
何でも良かった。口から出てくる言葉なら……。心配する言葉でも、神楽を罵倒する言葉でも。
しかしどれも出てはくれず、そんな沖田の心に同調でもするように、沖田は神楽の体を、何も言わず、そのままぎゅっと抱き締めた。


下を見れば、さっき持っていた沖田の手から零れたソフトクリームが、形状を崩し、コンクリートの上で早くもとけそうになっていた――。

・・・・To Be Continued・・・・・
Category: ★school excursion
Published on: Fri,  11 2011 14:46
  • Comment: 6
  • Trackback: 0

6 Comments

真奈美  

このくらいの距離感って
関係性に名前がないから不安ですよね(´・ω・`)

2011/03/11 (Fri) 20:38 | EDIT | REPLY |   

きょん  

こんな甘酸っぱい時間を沖神が過ごしてるなか………


私は地震で学校泊まりでしたっ!


震えましたよー


今帰ってきました(^^●)

2011/03/12 (Sat) 10:18 | REPLY |   

みかん  

友達以上恋人未満・・
もう恋人になっちゃえよ!おまえら!

地震大丈夫でしたか??
わたしは九州住みだったので良かったんですけど、
ツンデレ様は大丈夫だったでしょうか><。

2011/03/13 (Sun) 20:50 | REPLY |   
ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

ツンデレ→真奈美ちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→真奈美ちゃんへ">

お騒がせ致しました。

今回の地震の規模が大きすぎて、
まだ、私も不安で仕方ありません。
遠く離れた家族の事、友達、心配する気持ちは
後をたちません。

それでも、携帯が繋がったなか、PCが動かない
地域の方も沢山いらっしゃると思います。

それぞれ、それぞれに出来る事を。
募金は勿論。私も物を創作すると言う事が出来る
ならば、それで皆を支えてあげたい。

そう気付きました。

少しでも、携帯で回覧出来る様に、私も頑張って創作します!

2011/03/16 (Wed) 10:23 | ツンデレ→真奈美ちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">

地震で学校泊まり……。
大丈夫でしたか!?

返信、遅くなって心配かけましたっ!

地震は、まだまだ被害を拡大させています。
私も家族が居る身、子供が居る身。
被災者の方の気持ちになると、涙が溢れてとまりませんでした。

それでも、被災者の方が、一人でも、私のサイトを見て
気が紛れるならば……。
そんな風に思いました。

きょんちゃんが、無事でなによりです!

2011/03/16 (Wed) 10:34 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→みかんちゃんへ">

ツンデレ→みかんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→みかんちゃんへ">

みかんちゃんは九州だったんですね。
私は高知県の海岸沿いで、大津波警報が出て避難したり……。

大変でした。

でも、くおやって家があると言う事、家族がいると言う事、
普段当たり前にしてることが、一番幸せだと言う。
今回、それを、身に染みて感じる事が出来ました。

まだまだ、連絡のつかない方が沢山いて、
心配でたまらないけれど、ふさぎこんでいても仕方がない。

こんな中だからこそ、私の小説を楽しみだと言ってくれた
方の、少しでも力になりたいと思い、また打ち始めました。

みかんさんの心にも、届くと嬉しいです。

2011/03/16 (Wed) 10:41 | ツンデレ→みかんちゃんへさん">REPLY |   

Post a comment