キャラメル★パレット act 25

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ゆっくり、ゆっくりと歩く寧々の歩幅に合わせて、蒼は歩いている。
当たり前だが今はきっと授業中で、サボっている事になっている。
だから寧々の足の行き先は、ファミレスを出たら学校に向うだろうと思っていた蒼だったが、どうやら違うらしい。かといって、目的もないらしい。

隼人と雅と別れて、もう10分。時折、寧々が何か言いたそうにしていたが、口を開くことは無かった。
けれど、寧々は雅の様に、自分の思っている事でも、中々言い出せないのは知っているし、その事をふまえた上で好きになったのだから、蒼は気にならなかった。

しかしこのまま寧々をこんな所でふらふらと歩かせていいものか?
寧々は言わずとも真面目で、自分とはタイプが全然違う。連れ出したのは自分の母親だが、こんな所で制服姿でいれば、誰かの目に止まるかもしれない。

自分は停学になった身だが、それを寧々にさせたいとは、微塵も思わなかった。

「悪かったな。かなり強引な母親で……」
寧々は黙って首をふった。
「こんな所で居たら、お前まで何か言われちまうから、とりあえず――」
言いながら蒼は寧々の手をとろうとしたが、寧々はその手を拒んだ。

「知りたい……んです。なんで停学になってしまったのか……」
理由が予想つきそうでつかない。
一度気になってしまうと、どうしようもなかった。
蒼の手を拒んだ時、一瞬だけ嫌われるかもしれないと言う恐怖に包まれた寧々だったが、それでも知りたいと思う気持ちが強かった。

そんな寧々の表情は表に出てしまった。
特に蒼を拒んだ時の表情は、したのは自分なのに、自分のほうが傷ついたような表情だった。

怒るどころか、こんなささいな事ででも、蒼の気持ちは寧々に傾いている。
「知って、寧々が傷つくのが嫌だったんですがねェ」

私? 蒼の言葉に、寧々は首をかしげた。
そんな寧々を見た蒼はますます言いたくないとばかりに項を掻いた。
「やっぱ……いいわ」
「なんっ! 教えて下さいっ、何で私が傷つくんですかっ?」
寧々は、思わず蒼のシャツを掴んだ。
教えてと言う瞳は、すがるように揺れている。

「――――ダセぇ……。俺の隣にいる居る女にしては、随分ダサい女だって……笑ったんでェ」
寧々の喉元が、ゴクリとなった。
と、思った矢先、ぐいっとひっぱられたとも思ったら、抱き締められていた。

「寧々は……あんたは全然ダサくなんかねェ! つーかあいつの目が腐ってやがんでェ!」

傷つく? そんな感情知らない。
どうでもいい先生に何ていわれようが、全然気にしない。
むしろ、こんな公衆の面前で抱き締めてくるこの腕が嬉し過ぎた。


「あの……ありがとうございます。凄く嬉しいです」
気付いた時には、笑えてる自分がいた。
抱き締めているその腕を緩め、寧々の顔をみた蒼は、心底安心したように表情を和らげた。

「言うつもりは、マジでなかった。あんたの傷つく顔を見たくなかったから」
「――――だ、大丈夫です。ちゃんと分かってますから」

寧々の言葉に、蒼は眉間に皺を寄せた。
「やっぱなんも分かっちゃいねーじゃねーか」
蒼は、そっと柔らかい寧々の頬に手を添えた。
「本を読んで居る時、自分がどんな表情をしてるか知らねーだろィ? 授業を真剣に聞くその横顔がどんだけ綺麗か、あんた見た事ないだろう?」

そっと指先を動かすと、唇に触れた。
ストレートの髪は、陽の光に晒されて、どうやったって目を奪われる。
何度言ったって、足りない。

「俺はあんたに惚れてやす。頭のてっぺんから、足のつま先まで」
ちょっと大きく開かれた瞳には、まっすぐな蒼の視線が映し出されている。
どういった反応をすれば分からない寧々は、蒼から目をそらし、俯いてしまった。

「だからそういう所も、ツボなんだって。あんた本当に分かってねー。ダサいなんざ、俺は一度だって思った事ねーよ。今だって、俺が考える事っつったら、もういっぺん抱き締めてぇとか、キスしてぇとか、親父に負けたくねぇとか、そんなくだらねー事ばっかりでェ」

俯いている寧々の頬の色は、蒼の言葉によって、淡くそまった。
きっと、蒼は寧々の反応を想定していたに違いない。意地悪く一瞬笑ったかと思えば、彼女にしか見せない様な柔らかい笑みを作ったあと、口を開いた。

「マジなんでさァ。自分でも驚くぐれぇに。いつ離れていくんじゃねーかって不安でたまらねぇ。似合ってないのは、俺の方だと思ってまさァ。だから腕ン中に閉じ込めておきてーし、離れたくねぇ。誰になんと言われようが、俺はあんたに惚れてやす」

視線をきょろきょろと逃がす寧々の頬に、蒼はそっと手をかけた。
柔らかい。指先から伝わる温かさにさえ蒼は感動した。自分の行動に、小さくなってかたまる彼女が愛おしくてたまらない。
俯きぎみの寧々の頬に、蒼はそっと傾きキスをした。瞬間小さく跳ねた体が、可愛くてしょうがない。
そんな蒼のシャツを、寧々はそっと、掴んだ。

「し……んぱいなのは、私の方です。絶対すきにならない、好きなっちゃ駄目だと思ったのに、気持ちがおさえきれないくらい……好きなのは私の方です」
傷ついたりしない。けれど心配なのは毎日だった。
だって分かっているから。自分が蒼につりあっていないのは。学校には、学校じゃなくったって、もっと可愛らしくて、もっとよく笑って、もっと明るい子は居る。
いつも本片手に時間を過ごしていた自分が、つりあっていないのは、周りから言われなくったって、十分、分かっていた。だから傷つかない様にしていた。なげいても、変わらないから。

でも、いつ蒼が心変わりしないか、付き合ってまだ全然浅い自分達に、終りをしめす12時の鐘がならないか、不安だった。

蒼のシャツを握る寧々の手の力が強くなる。

頬に唇を落としたまま、蒼はかたまっていたが、すぐ近くにある寧々の視線とカチあってしまい、思わず喉を鳴らした。
しかしすぐにそらされた寧々の視線を追いかけるように、そして彼女を逃さないように、肩を抱き、唇を重ねた。
コクっと、寧々の喉がなったのが蒼にも分かった。触れた唇は柔らかくて、温かい。
一度離したけれど、恋しくてもう一度触れさせたのは、以外にも寧々だった。

この人を離したくない。そう思った気持ちは、内気な寧々の中にもちゃんと生まれて、それが小さな可愛らしい独占欲にと現れたのだった。
すぐに恥ずかしがった寧々だったが、それを離さなかったのは、蒼だった。

寧々の小さな独占欲に触れて、その心に火がついた。
ただ蒼の独占欲は、親譲りでもあり、寧々よりもずっとずっと大きかった。

蒼はここが何処かも忘れたように、寧々を腕に閉じ込めたまま、苦しいと寧々がもがくまで、その行為に没頭した。







真っ直ぐに歩いていく隼人が、時折雅の方へと視線を送ってみるが、その視線がかちあう事はなかった。
雅は隼人の隣ではなく、少し離れた場所で歩いていた。空や、歩く人、看板にわざと視線を巡らせつつ……。

ファミレスから出てきて、そんな調子だった雅に、先ほど隼人は声をかけてみた。
けれど意図も簡単にスルーされてしまった。
なんだってこううまく行かない? 
そんな事を思いながら隼人は頭を掻いた。

考えてみれば、自分は雅を怒らせてしまってばかりだと思った。
確かに怒る顔も好きは好きだが、こんな風になるまで怒らせたいなどとは、当然思ってない。
停学になった理由を聞きたいがために、こんな不機嫌になっているのは分かっているが、理由を言うつもりはない。しかし言わなければ更に機嫌が悪くなるのは、目に見えていた。

少し離れた所から、雅の背中に、もう一度隼人は声をかけた。
「理由を言えば、機嫌は直ンのか?」
雅の足が、ピタリと止まった。歩く隼人が、雅に追いついた。黙ったままの雅に、もう一度声をかけようとした。
「もう、いい。言わなくて……いい」
前を向いたままの雅の言葉。けれど震えていた気がして、隼人は雅の肩に手をやった。
しかしすぐに振り払われた。そのまま歩きだす雅の肩を、反射的に隼人は掴み、自分の方へと向かした。

息を飲み込んだ。
さっきまで、寧々達と居て、さっきまで、自分の母親といて笑ってたじゃないか……。
なのに雅の顔は、今、涙で溢れていた。
小さな手をきゅっと握りしめたまま、隼人の顔をぐしゃぐしゃな顔で一瞬見上げた。
ずっと鼻をならしたかと思えば、そのまままた前を向いた。そして走り出そうとした。その雅の肩を、隼人は掴んでいた。

雅は何も言わないまま、ただただ嗚咽を口から漏らしている。
「なん――――」
そんなに泣くような事をしただろうか?
思った隼人だったが、実際、目の前では、あの勝気な雅が声をかみ殺すように泣いている。
正直、どうしていいか分からなかった。

ほっとけるはずはない。かと言って、なんと声をかけたらいいものかも分からない。
黙ったままの隼人に、ずずっと鼻をならした雅が口を開いた。

「隼人は……茶化したり……面白がってばっかり……。もう……なんか、振り回されてる自分が馬鹿みたいで……泣けてくる……っ。だから……好きになんてなりたくなかったのに……っ……」
堪えきれない涙は、なおも彼女の頬へと伝う。

涙に濡れた拳で、雅は隼人の胸をドンと叩いた。また叩いた。
「オモチャにしないで……っ、遊ばないで……っ、あんたが何を思ってるのか、私の事、どう思っているのか、何度口にされたって……分からなくなる……っ」

突っ立ったまま、隼人は唖然と雅を見下ろした。
確かに雅を使って遊ぶような真似をしたり、からかったりはしたけれど、それは雅にだけであって、それこそが、好きの現われであったし、雅の言うように、雅への気持ちがそれでブレたりした事は一度だってなかった。
それどころか、怒ったり、拗ねたり、たまに笑ったり、ちょっと照れたようにしたり、そんなくるくると表情のかわる雅に、触れれば触れるほど、その思いは大きくなっていた。


「きらい」
雅はまた隼人の胸をドンと叩いた。
「きらい……きらいきらい……」
ドンドンと、雅は隼人の胸を叩く。
「きらい……になりたい……。のに……嫌いになれない……」
ふわりと雅の髪が風に揺れたかと思えば、ピタリと自分に寄り添ったのが分かって、隼人は目を見開いた。

「すき……好きでしょうがない……馬鹿みたいで笑えてくるくらい、あんたが好きでたまらない……っ」
隼人のシャツを雅は握り締めた。隼人の十五cm下で、柔らかい雅の髪が、ふわりふわりと揺れている。
無意識に出た隼人の手は、すっぽりと華奢な雅の体を包んだ。

通りの人が、自分達を見ていたが、どうでもいいくらい、心臓の音は高ぶっていた。
「お前の事を馬鹿だっつったんだ」
いきなりの隼人の言葉に、しとしとと流れていた雅の涙がピタリと止まった。
そしてその濡れた顔のまま、上を見上げた。
隼人は掌で雅の涙を拭うと、もう一度口を開いた。

「俺の隣に居る女にしては、頭がからっぽな女だって笑ったから殴った」
雅は口をぽかんと開けた。
「それ……だけ?」
「あぁ」

信じられない。
自分が馬鹿だなんて、いちいち教師に言われずとも、自分が一番よく分かっていた。
そんな馬鹿らしい事で、というより、停学の理由は自分?

「あたし……だって馬鹿だよ?」
「そんな事もうしってらァ。けど俺以外の奴がお前を馬鹿にすんのは許さねェ。例えそれが蒼であっても」
なんて自己中心的な独占欲。雅はあっけにとられたままだった。

「俺の隣にいる女は、俺が自分で選ぶ。それを周りからごちゃごちゃと言われんのは好きじゃねぇ」
「す、好きじゃないって……そんな事で先生をなぐったの?」
雅の言葉に、隼人は鼻で笑った。
「そんな事だと思うか? 惚れた女を馬鹿にされたままにしてる方が、俺にはずっと馬鹿野郎だと思うぜ? 俺は俺のモノを全力で守る。文句は言わせねェ」

さっきまで泣いていた自分が、酷く馬鹿に見えるほど、この男は自分の事を思ってくれている。
雅は、ぶるっと喜びに震えた。
「顎を折らなかっただけ、よく自分で我慢したと思うぜ? 後で知ったらお前が怒ると思ったら、何故か歯止めが利いた。ま、鼻の骨はイッたかもしれねぇけどな」
隼人は思い出したように笑った。

「は、鼻の骨? 顎の骨? だ、大丈夫なの?」
「死にゃーしねーよ。とりあえず次目の前に顔出したら殺すとは言っておいた」
「ななっ、先生にそんな事しちゃ駄目じゃない!」
「だからちゃんと手加減したろ?」
「ぜんぜん手加減になってないわよ……っ」
「俺はすっげーがんばったと思うぜ。いや、マジで」
「何も頑張ってない!」

ぷりぷりと怒る雅の顔を、隼人は見る。
その視線が、胸に深くつきささるほどドキリとしてしまい、雅は思わず黙ってしまった。
「笑ってくンねー?」
「えっ?」
「怒らすのも確かに面白くて好きな顔なんだが、やっぱ女は笑ってた方が綺麗だろ?」
言った隼人の言葉に、笑うどころか、また雅は膨れた。
「面白くないもん」
雅が気にしていたと、今更思った隼人だったが、これもこれで正直な気持ちなんだから仕方がないだろう。
「たまには惚れた女の笑い顔もみたいと思うのは我侭だと思うか?」
雅の膨れていたほっぺが、ぷしゅーと萎んでいく。
「笑えって言われて……笑えるわけないでしょ」
今度は拗ね出してしまった。
隼人は、そうか、と一度考えるそぶりを見せた後、唐突に雅の唇に、ちゅっと音を立てた。
目をぱちくりとさせる雅を、やっぱり面白そうに見ては、二度目になるリップ音をさせた。

「ちょっ……やめ――――」
雅は言うが、隼人は、雅を捕まえたまま離そうとはせず、更に唇にちゅっと重ねた。何回も、何回も。
「ちょっ、隼人やめてってば……っ」
言う雅だったけれど、あまりにも止めない隼人に、可笑しくなったのか、とうとう笑いだしてしまった。
その雅を、隼人は満足そうに見ている。そしてまんまとノせられてしまった雅は、わざと咳ばらいをして笑いをやめた。

それを確認した後、隼人は、今度はゆっくりと重ねた。
離れない唇に、少々驚いたようだったけれど、雅は、それを受け入れた。
いつものキスとはちょっと違って、少し強引にも思えた。
割って入ってきた舌に、一瞬だけ体が震えたけど、触れているその手があまりにも優しくて、流れに任せてみた。

「何も不安がるな。お前は俺の女だ」
口数少ない彼の言葉。
なのにその言葉は自分をすぐにでも溶かしてしまいそうなほど甘かった。



・・・・To Be Continued・・・・・
Category: ★キャラメル ★ パレット(hit小説)
Published on: Thu,  04 2011 14:47
  • Comment: 4
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4 Comments

ゆー  

初コメです!

去年からずっと読ませてもらっていたんですが、、

タイミングがつかめず今初めてコメントさせてもらいました(笑)


2組ともかわいすぐる❤神楽も沖田さんもかわいい❤あんな夫婦になりたいです。

次回も楽しみに待ってます!

2011/08/04 (Thu) 16:09 | REPLY |   
ツンデレ→ゆーさんへ">

ツンデレ→ゆーさんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→ゆーさんへ">

わ~~ ^^
初コメありがとうございますっっ!

初めまして、ツンデレと言います ★
タイミングがつかめずと言われましたが、今日がそのタイミングだと
知り、とっても嬉しくなりました ^^

いつも、蒼と隼人達とラブストーリ、そして今回初で出て来た
沖田と神楽の変わらないラブラブっぷりを書いていて、
私はすごく幸せです ^^

そして、去年からずっと通ってくれている、ゆうさんの
存在を知れた私は、もっともっと幸せになれました。

これからも、よろしくお願いします ♪

2011/08/05 (Fri) 01:17 | ツンデレ→ゆーさんへさん">REPLY |   

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2011/08/05 (Fri) 14:36 | REPLY |   
ツンデレ→つむぎさんへ">

ツンデレ→つむぎさんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→つむぎさんへ">

初めまして ^^
コメントありがとうございました !!

キャラメル★パレットを、そんなにも気に入ってくれて、
私も、本当に本当に嬉しくて堪りません。

この作品は、オリジナルが入っており、更に菌うさぎさんとの
コラボ作品なので、私も思いいれがあります 。

書き始めたときは、皆さんの反応にドキドキしてましたが、
つむぎさんの様な方が、沢山いて、本当に気持ちが温かくなりました。

丁度、この作品の更新を、今の作品の合間に入れていこうと思っていました。

私も頑張りますので、ぜひ、見に来てください ★
ありがとうございました ^^

2011/08/07 (Sun) 22:05 | ツンデレ→つむぎさんへさん">REPLY |   

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