キャラメル★パレット act 26

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風が頬を撫でていた春から、季節は夏へと移りかわる――――。

臨海学校。
銀魂高校恒例の行事の一つである。
見渡せば綺麗な海が見える民宿へと一泊しつつ、野外授業を学ぼうと言う趣旨の行事は、毎年、三年生限定であり、しかも隣接する高等学校と合同で行い、交流を深めようというものであった。
実際、この行事で他校との垣根を吹っ飛ばし、何組もの赤い糸は結ばれてきた。

当然、この時期になると、たった一泊ではあるが、三年の生徒の力の入れようは凄まじいものがあった。
まだ相手の居ないものにとっては、自分の小指に繋がれた先に居る人物を探す事に、そして既に繋がれた相手が居る者は、その繋がりを、更に強く絡めるために、ひと夏の甘い情事に身を任せたいと思う者、自分の殻を破りたいと思う者……、理由はそれぞれではあったが、とにかくその熱気は、暑い夏を更に熱くさせた。


しかしここ、放課後のファミレスで涼んでいる三人にとっては、正直どうでもいいもの、もしくはそんな行事無くしちまえよコノヤロー……と言う状態だった。

「あぁ、面倒。本当正直、面倒くさいわ。なんだってあんなモノがあるのかしら。他校の生徒と一緒なんて、人がうじゃうじゃになって、更に蒸し暑くなりそうだし、何が楽しいのか、全然分からない」
自分の視界に映る景色が、思わず歪んで見えそうな窓の外の気温を思い出したかの様に、雅は水分に口をつけながら、げんなりとさせた。
「全くだ。冗談じゃねェ」
言ったのは、もうすぐ出なければならない窓の外の猛暑を見ながら雅と同じ様にげんなりしている蒼だ。
寧々は、少々呆れながらも、雅を見ながらくすくすと笑っている。その真向かいでは、隼人がほうづえをついている。
雅はといえば、ただただ純粋にこの行事を面倒くさがっているだけだったが、隼人と蒼は、確かに面倒なのも理由の一つではあったが、それだけが理由ではなかった。

「でも、ほら、海で泳げるって言うし、少し楽しそうじゃないですか?」
雅を宥めようとして出た寧々の言葉に、隼人と蒼は、一気にテンションが下がった。
「うーん。確かにそれは楽しそうなのよね」
寧々の言葉に、雅の気持ちは、揺らぎつつある。
「きっと楽しいと思います。水着になるのはちょっと恥ずかしいけど、周り皆もそうだし、皆で作る飯ごう体験なんかも、考えたらワクワクしません?」
「飯ごうかぁ……。うん、何か考えてたらワクワクしてきたかも!」
先ほどまでのテンションとはうって変わり、雅の瞳は好奇心でキラキラと輝いた。
「ねぇ、隼人もテンション上がってきた? 上がってきたでしょ?」
自分のテンションを隼人にも是非共有して欲しいとばかりに雅は話をふっかけた。
「いや、むしろ、どんどんと下がっていくね」
「えぇ!? 何で」
雅は瞳を大きく広げた。

寧々も蒼の方に視線を移してみたが、双子の片割れは、同じような表情をしていた。
さっきまで、行きたくない、面倒だ、などと言っていた自分はどこにやら、雅は心底不服そうに頬を膨らませた。そのまま寧々と顔を見合わせたが、やはり理由は分からない。
「つーか、この話は終りな」
言うと隼人は早々と席を立ち上がった。その後に続くように無言で蒼も立ち上がると、伝票を持ち、会計へと進んだ。
「えっ……!? ねぇ、ちょっと――――」
雅はカバンを抱える様にもつと、寧々と二人でその背中を追いかけた。





夕方になって、昼間の気温より、少しだけ過ごしやすくなった空は、まだ明るい。勝手に出て行った双子の後を追うように早足で歩く雅と寧々は、二人の行動の意味が分からず少しだけ戸惑う。
何か、癇に障る言葉でも言っただろうか? そんな行動をとっただろうか?
考えてみても、思い当たる節はない。ただいつもの様に雑談をしていただけ。不安を煽る材料は、何もなかった。

だったら何故?

付き合って、もう少しで半年。
お互いキスだってしたし、二人きりの時間は、溶けてしまいそうな程甘い。
そりゃ他愛も無い喧嘩はするけれど、こんな風に、訳もわからないまま不機嫌になられては、どうしたらいいか分からなくなる。

こんな時、本来の雅なら、強気で行くはずだった。
しかし隼人にどんどんとのめり込んでいる今の雅は、嫌われたくないと臆病になっていた。


「ねぇ! ――ちょっと待ってよ」
隼人の背中から三メートル手前、控えめな雅の言葉がかかった。隼人と蒼はピタリと足を止めた。
追いついた雅と寧々は、おずおず彼の手を絡める。
『置いて行かないで……』
雅は自分がやるせなく唇を噛んだ。
こんなのは自分じゃない。そう思ってみても、どうしたって隼人に弱い自分が居る。
寧々は、不安そうな面持ちで、雅は天邪鬼な表情で二人を見上げた。


「はぁ――――」
息をついたのはどちらともなくだった。
自分の行動を今更恥じたのか、二人してうなじを掻いた。

「すいやせんでした」
蒼の言葉に、寧々は意味が分からず、キョトンとした。蒼は寧々の柔らかい髪に手を入れた。
「ただのヤキモチでさァ」
その言葉を聞いた雅は、そのまま隼人の方を見た。
「ま、そう言う事」
「な、何がそういう事!?」
隼人の態度が普段通りになると、雅は肩の力がふっと抜けたような気がし、ついつい声を大きくさせた。
「何だよ、さっきまで随分汐らしかった癖に。なァ、雅ちゃん」
「ばっ、馬鹿じゃない!? いいいつ誰が汐らしくしたのよっ」
口先で何と言おうとも、その表情と肌の色が全てを物語っている。
「分かった分かった」
隼人は雅の手を絡めなおすと、そのまま雅の手をひき歩きだした。
まだまだ、本当は、文句を言い足りない。けれど今繋がれたばかりの手を、離したくはないと雅は開きかけていた口を閉じ、膨らませた。



「あの……ヤキモチって……水着の事ですか?」
小さな声での寧々の質問だったけれど、蒼は諦めた様に笑った。
「そう。俺は人よりずっと独占欲が強いんでね。アンタを誰の目にも触れさせたくない。そう思っただけでさァ」
寧々の頬は、わっと染まった。
「そ、そんな見せるようなモノじゃ決してないんで……。だ、大丈夫です」
「何が大丈夫なんだかなァ。まぁ、いいでさァ。アンタを見ている男は俺が片っ端から殺るつもりなんで」
蒼は笑いながらそう言った。寧々はまたからかわれていると思ったらしいが、正直その思いは、五分五分と言う所だった。


「だ、大体……私にヤキモチ妬くなんて……あんたやっぱり馬鹿ね。こんな体に興味を惹く男なんて何処にだっていやしないんだから」
繋がれた手をそのままに、雅はツンとした。
「だからお前は馬鹿だってんだよ」
「なっ! もう! あんたって本当ムカツク男よね! 知ってるわよ! 言わなくたって! 自分が馬鹿な事くら――――」
「ここに居るだろ」
はたと雅は立ち止まり、目をぱちくりとさせた。
隼人は、意地悪く雅の顔を覗き込んだ。
「お前の体に興味がある奴がな」
そう言って隼人は、雅の頭のてっぺんから、つま先まで見下ろす。雅の唇はたちまち恥ずかしさでわなわなと震えた。

「頑張って成長しろよ」
隼人は何のためらいもなく、雅の膨らみを制服越しに掴んだ。
雅は唖然と立ち尽くす。

「あぁ、言っとくけど、他の男と話してる所なんざ見たら、夜まで待たずに、速攻部屋に連れ込んで犯してやるから。そのつもりで居ろよ?」
にっこりと笑った表情は、本気だと物語っている。言葉さえ失った雅をしばらく観察していた隼人だったが、それも飽き、さっさと先に歩いていってしまった。



立ち尽くす雅の頭の中には、たった今残していったその手の感触と、隼人の言葉がぐるぐると回っていた。



・・・・To Be Continued・・・・・
Category: ★キャラメル ★ パレット(hit小説)
Published on: Thu,  29 2011 15:00
  • Comment: 6
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6 Comments

ゆー  

キャラパラきたーーーーー(笑)

2人とも独占欲強いとことか沖田さんそっくりでいいですね❤
雅と寧々もかわいくて友達に欲しいです!

さ、最後のはっ!すごく、、やばあい❤

やっぱりツンデレさんの作品は読んでいて元気が出ますね。
ちょっと気分が落ちてたんですけど、忘れてキュンキュンしてしまいました(笑)
ありがとうございました!

2011/09/29 (Thu) 21:09 | REPLY |   

きょん  

み、雅可愛い…。
え、ていうか沖神…。
隼人ww宣言しちゃったw
雅ちゃんも大変ですね、はい。
蒼くんは躊躇わないんですね(笑)寧々ちゃんも振り回されて可哀想に幸せそうですね。

2011/09/29 (Thu) 21:49 | REPLY |   

つむぎ  

いいですねぇ~(^O^)/
青春の ヤキモチ っていうのはWW
(といってもいま、青春時代に入ろうとしてるとこなんですけどね(☆_☆)

そして、何と言っても本当に総悟ソックリ
!(^^)!

そして、ほんと雅ちゃんのツンデレには
萌えますWWW (ノ><)ノ

2011/09/30 (Fri) 20:44 | REPLY |   
ツンデレ→ゆーちゃんへ">

ツンデレ→ゆーちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→ゆーちゃんへ">

こんにちわぁ ^^

コメント遅くなってしまってすいませんでした。

今回のキャラパレ。舞台は夏に突入です!!
もう夏ってだけで、妄想が膨らむ膨らむ ww

臨海学校編、突入ですが、またまたいろいろな波乱が起きそうな予感!

リアルではもう夏も消化してしまいましたが、
海に、水着に、もう隼人と蒼は、きっとヤキモチの連続。
けれど、それに負けないくらい、雅と寧々にもヤキモチを妬いてもらう予定ですww

2011/10/05 (Wed) 14:56 | ツンデレ→ゆーちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">

実は、まだ大きなストーリーは考えていないんですが、
一度書きたかった林間学校たるものを考えてみました。

とは言えど、私自身が経験ないので、
あくまで想像や妄想の世界になるとは思うのですが、
けれど、今から隼人や蒼、そして寧々と雅の慌てふためく顔が思い浮かびます。

頑張りますので、林間学校編、お楽しみくださいね ♪

2011/10/16 (Sun) 08:43 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→つむぎさんへ">

ツンデレ→つむぎさんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→つむぎさんへ">

雅のツンデレには、私も本当に萌えます!!

寧々のあのキャラもだいだいだい好きなんですがね!!
我ながら、二人とも素晴しいキャラだと思いました。

そしてそれは、菌うさちゃんが描いてくださった
四人のキャラのおかげでもあるんですよね^^

私はキャラパラが大好きです。

臨海学校編
絶対に何か起こるはずなので、楽しみにしてくださいね^^

2011/10/16 (Sun) 09:15 | ツンデレ→つむぎさんへさん">REPLY |   

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