Honey Girlの悪夢 act 29

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(えんぴつマークの英語のところです)
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沖田は神楽を連れたまま、どうしようかと考えた。
衝動に任せたものの、やはり気恥ずかしさは次から次へと襲ってくる。その思いに拍車をかけるのは、先ほどからの神楽の態度の所為もあった。

やっと思いが通じたと思った沖田と、訳があったとはいえ、真昼間からの先ほどの行為。上手く沖田に話しかけることさえ出来ずにいるのは、当の本人である沖田にも当然伝わっていた。

沖田は沖田で、今やっと冷静になってみると、信じられない思いが溢れていた。

が、しかし余韻に浸ってばかりもいられない。
逃げた彼らが、次にどんな行動をとってくるのかは、沖田にも想像は出来ても断定は出来なかった。
もしかすれば、感情に任せ、神楽の動画を知らしめてくるかもしれない。
勿論、沖田が神楽に没頭している間にも土方達は何らかの形で動いてくれているだろうとは思っている。

目を伏せがちな神楽に背をむけ、沖田は携帯を取り出した。

まもなく聞こえてきたのは高杉の声だった。かけた後、何故自分は高杉に連絡をしてしまったのだろうと自分に対し悪態をつきたくなったが、今回ばかりは、事情が事情であるゆえ、冷やかしの言葉が高杉から漏れる事はなかった。

高杉と電話をしはじめた沖田に気付いた神楽は、現実に戻されたように不安げな表情を見せた。

解決したようで、実は何一つ変わっていない。
自分を苦しめた男達は現在もきっと逃げたまま、その居場所が沖田に分かるはずもない。しかも沖田に至っては、顔も知られてしまっている。勿論自分自身もだった。

神楽の表情は、見る見る間に凍りついた。

それに気付いた沖田は高杉との会話を一旦終わらせた。パチンと携帯を閉じると、神楽に向かいあった。

「言ったろィ? お前は俺がぜってえ守る。だからそんな顔すんじゃねえ」
沖田の声に神楽は正気に戻った。しかし恐怖はそう簡単に拭えるものでもなく、沖田にむけた返事が空返事になってしまう。
「神楽」
「――――だって……」
一言では言えない思いが、神楽の言葉を詰まらせた。

沖田は神楽を強く抱き締めた。
理屈じゃない。
そんな簡単なものじゃなかったからこそ、神楽は悪夢に捕われたのだ。その思いが分からない沖田ではない。抱き締める手がより強いものとなる。
心配するな――――それ以外に神楽にかける言葉が見つからない。何を言ったって気休めにしかならないのは十分分かっている。

(こいつを苦しめた奴を、俺は絶対許さねえ……)
沖田の腕の中で、ただただ怯える神楽を、ただ沖田は抱き締めながら、その思いをつよくさせていった。









沖田と土方達が合流したのは、それから一時間後の事だった。
沖田は最後まで神楽を自分の側に置いておくか、全て話しお妙にかくまってもらうかを迷っていた。
けれどやはり答えは先と同じものだった。自分の服を心細そうに掴む神楽を皆と合流させると、さっそく沖田はこれからの事を切り出した。

「何か分かった事は?」
沖田の言葉に、高杉は口を開く。
「個人じゃなく、チームで組んでいる奴らだ。同じような犯罪をいくつも重ねている野郎共で、何人もの女が泣きを見ているらしいな。手口も今回と同じ様なものだ」
沖田と神楽が姿を消した後、各々の情報網をフルに使い、短時間で炙りだす事に成功していた。
ちらりと神楽を見たあと、沖田は近藤に目配せをした。近藤は何かを理解したように、神楽をその場から遠ざけた。

「警察は気付いてねえのか? 女の中に警察に逃げ込んだ奴はいなかったのかよ」
「居たらしい。けれどすぐにチームを解散させた後、何食わぬ顔で同じ事を繰り返してやがった」
高杉の言葉に、沖田は歯をぎりっと鳴らした。
「とことん腐った野郎でさァ」
無意識に込められた拳の力。
「ただ痴漢行為を繰り返すだけでなく、今回みたく女に脅しをかけてあった。だから女は追い詰められていった。そしてそんな行為を、面白いと見る画面の向こう側の腐った奴らがいるからこそ、奴らは繰り返すんだろうよ」
いいながら、土方の声は低くなる。
「今、奴らは? 居場所までは分からなかったんですかィ?」
「奴らは回線上の上で繋がった奴らで集まっている。どこからでも回線さえ繋がれば行動は出来る。ゆえに居場所の特定は難しい」

「――――と思ったんだが、どうやら糸はまだ切れていないらしいぜ」
高杉の言葉に、土方と沖田の視線が集まった。
「今入ってきた情報じゃ、どうやらそんな奴らに嫌気がさしてチームを脱退した奴らも多くないらしい。まあ、当然っちゃあ当然だろうな。どう考えたって犯罪だ。バレちまえば人生を棒にふっちまうかもしれねえ。馬鹿らしいと思うやつもいるだろうな。――――で、その男からの情報に寄れば、奴らはいつも一目についてもおかしくないカラオケの一室でノートを広げ、アップロードしてるらしい。勿論、その場所も特定できてある」

言葉を聞いた沖田はすぐに動こうとした。
しかしすぐに神楽の存在を思い出す。いくらなんでも連れて行く事はできない。
「二手に別れるか?」
土方の言葉に、同じ事を考えていた沖田と高杉は無言で頷いた。
土方は神楽の方へと、沖田と高杉は神楽に背を向けた。

「沖田――――っ」
名前を呼んだものの、神楽の口からその先に出る言葉はなかった。
何もかもが不安だった。沖田が行動をすると言う事は、少なからず男達の情報に進展があったということ。そしてあってしまえば、必ず沖田は――――。

沖田は神楽の側へと寄ってくると、ふわりと頭を撫でた。神楽は首を振った。
「駄目……。行っちゃ駄目アル……。此処に居て」
俯いたまま神楽から発せられた言葉に、沖田の言葉は帰ってこない。
「駄目……駄目アル……」

見なくても分かる。神楽の声は震えていた。
「此処に居て――――っ」

沖田は、神楽の髪を、くしゃくしゃとさせた。
「心配すんな。オメーが心配する事なんざ、ひとつも無えよ」
沖田の分かりやすい気休めの言葉に、我慢が出来ずに神楽は顔をあげ、そのまま沖田の腕を掴んだまま離さないと握り締めた。
尚も首をぶんぶんと振ると、沖田の手に、涙が散った。
「行かせない……絶対行かせないアル――――」

けれどその神楽の体を、近藤は、ゆっくりと沖田から離せようとした。
ぎゅっと神楽の腕は、沖田に絡みつく。
「――――だって……きっと沢山居るアル……。どんな奴が居るかも分からないもの! 沖田だって、高杉だって……きっと無事じゃすまないヨ……そんなの私嫌アル! 絶対、嫌アル!」

沖田は、離さないと自分に撒きついてくる神楽を、ぎゅっと自分の中に閉じ込めると、ゆっくりと背中をさすった。
「俺が負ける訳がねえだろィ? 高杉はともかくよ」
わざと沖田は笑ってみせるが、神楽はやはり首を振るだけだった
「土方さん」
沖田の声が、静かに響いた。瞬間、神楽は何かを悟った様に沖田に力いっぱい抱きついた。
「嫌! 嫌! 此処に居てヨ! お前がどうにかなっちゃうなんて嫌アル! 絶対、絶対、嫌アル!」
そう言った神楽の体は、土方と、近藤の力で、沖田から離された。
「嫌! 私も連れてって! 私も行くアル!」
沖田は神楽に、触れようとはしなかった。触れれば、今度こそ、離してくれなくなってしまう。離れがたくなってしまうのが分かっていた。

「沖田! ねえ高杉ってば! ねえ!」
沖田が自分から離れていく。その背中に何度神楽が叫んでも、今度は振り返る事はなかった……。

帰ってきた沖田は、大怪我をして帰ってくるかもしれない。もしかすれば、帰ってくるどころか、そのまま病院にいかなきゃいけない程の怪我を負うかもしれない。
そんな事、望めるはずがなかった。

確かに、自分を苦しめた奴を許さない。許したくない。これまでの事は、絶対忘れない。沖田にバレてしまった以上、警察に全て言ったって、いい。沖田達がどうにかなるかもしれないならば、全身全力でそれを望んだっていい。本気で神楽はそう思った。

けれど、沖田は行ってしまう。高杉と一緒に、自分から離れて行ってしまう……。

土方と近藤に、両腕を掴まれている神楽は、どうする事も出来ず、ただその場で泣くしか出来なかった――――。




・・・・To Be Continued・・・・・

Category: ★Honey Girlの悪夢
Published on: Mon,  09 2012 16:40
  • Comment: 8
  • Trackback: 1

8 Comments

きょん  

あけましておめでとうございます!
忙しい中で、更新してくださってありがとうございます。
ハニーガール、いよいよ、ですかね?
楽しみです。
体にお気をつけて無理しない程度に頑張って下さい。
今年もよろしくお願いします!

2012/01/11 (Wed) 17:40 | REPLY |   

みー  

お久しぶりです!!
うう(;;)やっぱりひきこまれちゃいます!!
早くもつづきが気になります!

2012/01/12 (Thu) 21:52 | REPLY |   

ひーちゃん  

続き楽しみにしてますっ!!!

2012/05/08 (Tue) 22:36 | REPLY |   

さっさ  

こんにちは~^^
今これを読ませていただきました。
もう、涙が出てきそうです!!
沖田のことを一番に考えている神楽と、神楽のことを一番に考えている沖田。
あまりにも過酷な場面、これから先、沖田と神楽がどうなるのかとってもとっても楽しみです!!
待ってますね!^^

2013/04/06 (Sat) 15:11 | REPLY |   
ツンデレ→きょんちゃんへ">

ツンデレ→きょんちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→きょんちゃんへ">

こんにちわ、ツンデレです。
お返事が遅くなってしまい、すいませんでした。

体の調子を悪くしてしまい、長い間、更新が滞ってしまいました。

今は大分よくなって、先日から少しづつですが
更新をしております。

もし、またふと見てくださる事があれば
とても嬉しく思います。
ハニーガール、
これからもがんばますので、宜しくおねがいいたします。

ツンデレより。

2013/05/23 (Thu) 13:16 | ツンデレ→きょんちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→みーさんへ">

ツンデレ→みーさんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→みーさんへ">

こんにちわ、ツンデレです。
コメントありがとうございました。

せっかくご覧下さったのに、更新が遅れてしまい、申し訳けありませんでした。

今は少しづつですが、更新を頑張るようにしています。
また、ふと見てくれる事があれば
とても嬉しく思います。

がんばりますので、宜しくお願いいたします。

ツンデレより。

2013/05/23 (Thu) 13:20 | ツンデレ→みーさんへさん">REPLY |   
ツンデレ→ひーちゃんへ">

ツンデレ→ひーちゃんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→ひーちゃんへ">

こんにちは、ハニーガール、読んでくださりありがとうございました。

中々過酷な場面ではありますが、
これからも、頑張りますので、よろしくお願い致します。

また、お気軽に声をかけて下さいね。

ツンデレよりでした。

2013/05/23 (Thu) 14:27 | ツンデレ→ひーちゃんへさん">REPLY |   
ツンデレ→さっささんへ">

ツンデレ→さっささんへ  

Re: タイトルなし

ツンデレ→さっささんへ">


こんにちは、ツンデレです。
コメントありがとうございました^^

沖田は、神楽の事が、大切だから許せないんですよね。
なかなか上手く表現できませんが、これからも頑張って創作していきますので、
どうぞ宜しくお願い致します。

また、声をかけてくださると、嬉しいです☆
ツンデレよりでした。

2013/05/23 (Thu) 16:41 | ツンデレ→さっささんへさん">REPLY |   

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