school excursion act 31

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↓↓↓↓↓↓↓↓ 女性店員に言われるまま、奥の部屋へと神楽は通された。
たったそれだけで、もう心がドキドキする。だって、そこは、何だか、特別な場所みたいで、まだ高校生の神楽にとっては、神聖な場所の様に感じられたのだった。

「うわぁ……何これ、凄く綺麗アル」

一瞬で、それは神楽を虜にしてしまう。女性店員が、神楽に進めたそれ、あなたにピッタリ、そう言われた物。
古き江戸時代から伝わる、勇諸正しき代物。
紅色を軸されたその振袖は、まだ高校生の神楽、そして身長にも、ピッタリだと見て分かった。

「綺麗でしょ?」
ふわりと、その店員は神楽に笑みを見せた。
うん。神楽は素直に頷いた。

「これはね、その昔、夜弥(やや)姫様って、方がいてね」
「やや……姫さま?」
うん、神楽の質問に、店員は頷き、言葉を続けた。

「その方が、大好きでだいすきでたまらない人と、一緒になりたくて、なりたくて……でも……」
「結ばれなかったアルか?」
神楽の急ぐ結末に、店員は、ふわりと笑みを向け、待ってをかけた。

「その時代って言うのは、ほとんどが、今見たく、自由に好きな人と結ばれるのが難しくて、弥夜姫様には、決まったお婿様になる人がいたの」
うん、それで……?。
聞いているだけで、胸がきゅんとなった。
好きで、たまらない気持ち、前は分からなかったけれど、今は分かる。沖田を好きになった今なら、弥夜姫様の気持ちが、痛いほど、神楽には分かった。

「でも、夜弥姫様は、その好きな人をあきらめる事が、出来なかった」
うん。
私だって、きっと、あきらめきれない。きっと、痛いほど、心臓がぎゅっとなってる。
「その好きな人も、夜弥姫様の事を、愛していたの」
「愛して……?」
「そう、愛していたの。心から、深く、深く。誰にも負けないくらい、二人、愛し合っていたのよ」
愛して……。
まだ、高校生の神楽には、大人びた言葉。

「そう、だから、夜弥姫様は、その好きな人の為に、身分を捨てたの」
「身分……?」

「そう、夜弥姫様は、姫様と言う称号を、その人の為に、捨てた。そして、ほんの小さな幸せだったけれど、その人と、一生、幸せになる事を選んだのよ」

ほんの、小さな幸せ。
それは、人によって、大きくも、小さくもなりえる。けれど、夜弥姫様は、その小さな幸せを、自分の力で得る事ができた。
「そして、それは巡り巡ることになるの。夜弥様は、その好きな人とあいだに、小さな小さな赤ちゃんが出来た……」
「赤ちゃん……」

「そう、その赤ちゃんが、また、大きくなって、素敵な人と出会って、恋に落ちて……そして、めぐり巡って、私の祖父が、祖母と出会った……」

え……?

「そして、めぐり巡って、私が、産まれたのよ」
「え……嘘……」
「嘘みたいだけど、本当のお話なの。私が、その夜弥って名前を、受けついだのよ」

わっ……。
ほんものの、御伽噺。
絵本の中のストーリーの様で、でもそれは、ちゃんと実在した話。
この振袖には、小さなジンクスがあるの。そう女性は微笑んだ。

「アナタに、これを、着てもらいたいの」



・・・・To Be Continued・・・・・
Category: ★school excursion
Published on: Mon,  12 2013 12:20
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