school excursion act 33

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↓↓↓↓↓↓↓↓ いったい、何で俺が……とか、
何でこんな格好を……とか、


言いたい事は、ありすぎたけれど、目の前にいる女性を前に、何も言えないまま、沖田は今、鏡の前へと立っている。




「侍――――」

けっして、身分が高い着物ではない。

ボロボロ、そう言ってもいいくらいだ。
自分に、これを着せる理由が、どうしても分からないけれど、何故か脱ぐ気にもならないのが不思議だった。
よく似合ってます。そう言われて、どう言葉を返していいのかも分からない。

でも、しっくりくるかって言われても、なんとも微妙な気持ちであって。

そう思う気持ちは、沖田の表情にでてきてしまっていた。

「沖田……」

ふいに呼ばれた自分の名だったけれど、初め、信じられなかった。
鏡越しに自分の視界に入る姿が、どうしても、神楽だと……思えなかった。

驚きにかられながらも、反射的に、そちらの方へと体が向いた。
思わず息をのんだ、なんて、間違えても神楽には言えないけれど。

そしてそれは、神楽にも、言えることだなんて……。
立っているのは、さっきまで隣に歩いていた女の子だろうか?
笑っていた、彼女だろうか? あまりにも違った雰囲気の神楽に、言葉を失った。


「神楽ちゃん」

呼んだのは、沖田ではなく、女性の方。
差し出された掌に、神楽は重ねると、ゆっくり、沖田の方へと歩いてきた。

口が悪い女とか、喧嘩っぱやい、とか。
そんな事、いま、目の前にいる女に、はけるはずもなく。言葉を失っている沖田の方を、斜め15cm下から、神楽は頬をそめながらも見つめてくる。

わけが分からなくて、動揺しているのは、神楽だって同じ。
だって、何一つ、説明もないままに、この状態まで、もってこられたのだ。


しかも沖田に至っては、夜弥姫様の存在さえ、知らないままである。

「もしかして……ジンクス」
思い出したように、神楽がつぶやいた。
その言葉に、ゆっくりと、女性は頷いた。

「ジンクス?」
沖田がそう言うのも無理はない。
彼は、何一つ、説明もされないまま、今ここに立っているのだから。
それに、よく見てみると、どう考えても衣装に差がありすぎている。

「これはね……」
教えてあげたい。一体この振袖に、どんな思いが込められているか、どれだけ貴重なものか。
どんなジンクスがあるのか……。沖田が着ている物に、どれだけの思いがつまっているか。焦る神楽の気持ちが、沖田の耳に届いたと同時、ふと、彼女の目に入ったものがあった。



神楽の瞳の色に、よく似た、澄んだ藍色の着物。
さっきまで、沖田の手の中にあった、彼が、神楽のためにと思って選んだ物。

「あれは……?」

言われなくても分かる。教えてもらわなくても分かる。

比べてみると、その差は歴然としており。

でも、あれは……。

あれは……。



私の為に、選んでくれたもの……。





・・・・To Be Continued・・・・・



Category: ★school excursion
Published on: Sun,  13 2013 19:02
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