彼氏 act 41

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↓↓↓↓↓↓↓↓ さっきまでの雷雨は、嘘みたい晴れあがっていた。
まるで、霧のように突如現れたその場所は、たった二人の男が、音もたてることなく動き、その爪あとを残していた。
そこには、もう、少女達の姿はなかった。

暗闇のなか、全くわけも分からないままに、意識を飛ばし、自分達に何が起こったのか、まだ把握できていないものもいる。人数の半分はと言えば、まだその意識は戻っていない。

そんな男達の視界が、雲がはれ、夕日の光によって、今、目覚めた。

「お目覚めですかィ?」

これは、はじめましての、あいさつとばかりの声が聞こえた所で、男達は自分達の置かれている状況を、ゆっくりとだけれど、把握しつつあった。

暗闇の中、一瞬見えた、あの緋色の瞳。それが今、まさに、目の前にあった。
「アンタに会いたかったですぜィ」
首元を引かれたと思えば、強烈な痛みが、前頭部を襲う。腹のそこからこらえる様なうめき声を男は出す。頭がクラクラとしつつもそれを、振り払う。すると、再び、引き寄せられた。
まるで、地の底から、溢れんばかりの憎しみが、その声には宿っていた。
「アンタにゃ、でけえ、借りがありやしてね」

今、沖田の手の中にいるのは、まごうことなき、神楽をめちゃくちゃにした男だった。
神楽の瞳孔の奥底、そのくすんだ様な金髪……。忘れたくても忘れられなかった男……。

「なんだ、テメェ……」
そう言った直後、沖田よりも、がたいが、いい体は、沖田の右手拳一本で、後ろへと吹っ飛んだ。
地を這うような音と共に埃まみれになった男。

再び、脳天がくらくらと、混乱する中、すぐに、その緋色の瞳は、目の前に現れた。
「俺の名前は、沖田 総悟でィ」
名前を、聞いた途端、男の表情がハッとした。
神楽が、覚えていたように、男もまた、あの時、無常にも泣き叫ぶ、神楽の口から、何度だって出てきた男の名前。

「テメェ……」

苦痛に、顔を歪めながらも、この奇妙な偶然の意味が、今、やっと分かったようだった。
しかし、その口もすぐに、沖田にと、塞がれる。
沖田の瞳孔は、開ききっていた。

「テメェじゃねえ、俺の名前は 沖田 総悟でィ。 テメェが死ぬまで、忘れられねえようにしてやらァ」
言い終え、聞き終えるがすぐ、今度は、みぞおちに、強烈な痛みが走った。

口元から、唾液が飛び散った。
まるで、風穴でも開いたように、息をしようとすれば、ヒューヒューと音が出た。







「おい」
高杉の瞳に映るのは、見覚えがある、その男が持つには、到底似合わない様な、ゴム。
どこで、どう転がって、その手首にあるのかは、分からないけれど、それは間違いなく、また子のものだった。

「てめぇか」
答えを聞くまでもなかった。
その男の腹へと、下からすくいあげるような、重い一撃が入った。
たらりと、口から、流れ落ちるのは、胃の中から逆流した唾液。

その眼帯で隠された片目、そして、漆黒の瞳には、狂気が宿っている。

その横から、別の手が伸びたけれど、高杉はたやすく掴んでしまう。
意図も簡単に捻り上げると、そのド頭に、強烈な一撃を叩き込んだ。
両手で頭を抑え、うずくまりながらも呻き声をあげる男の体を無理やり立たせると、その腹に、重い膝をひねりあげた。

男の掌を、握り締めると、高杉は、ゆっくりと力を入れる。
「テメーか? 」
高杉にとって、もはや、誰がどうなどとは分からなく。なっているようである。
また子のあの頬を見た瞬間、無表情にみえていた彼の思考は、とっくに落ちていたようであった。


痛みに悲鳴をあげる男の掌を、無表情で、まげていく。





「駄目ッス!!」


そこに、柔らかく、高杉の掌とは、比べ物にならない華奢な掌が重なった。



確かに、神楽と二人、このアパートの隅にと、追いやったはずだった。
隠れていろ、ここから出るな、そう何度も念をおして……。

「もぅ、いいッス!」

でも、それは、確かに、また子だった。
ありえない方向へと曲がっていく、掌を、包み込み、もう止めてと、高杉の手を覆っていた。
痛みと、恐怖に飲み込まれそうになる所だった男は、覇気も、力も失ったように、その場へと崩れおちた。

高杉の瞳に、また子が、確かに映る。
暗闇の影が、少しずつ、消えていくように見えた。

「伸介様!」
また子の瞳は、もう十分だと、言っていた。
周りを見渡してみても、向かってこようとする気はみられなかった。
当にそこを通り越すまで、暴れ倒し、それでも見境がつかなくなってしまっただけ。

腫れあがっている頬は、さっきと変わらないはずなのに、その表情は、いつものまた子のものだった。

また子の掌は、高杉に、行こうと言っていた。
この場には、もう用はない。立ち去るべきだと。

「行くッス」

また子は、高杉の掌を、しっかりと握った。


そんな二人の耳には、暴れまわる、もう一人の男の存在がいた。


「自分……あの人は、止める自信ないッス」
ぼそりと、口からでた、また子からの言葉に、伸介は、おかしかったのか、口元をあげた。



「いるだろうよ、たった一人だけな」

・・・・To Be Continued・・・・
Category: ★彼氏
Published on: Fri,  30 2014 15:05
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