Day After Tomorrow act 8

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↓↓↓↓↓↓↓↓ 神楽がスイッチを押している頃、当然だけれど沖田はそんな事、知るよしもなかった。

確かに自分が少々愛情の表現が乏しいであるとか、捻じ曲がっている事は自覚しているけれど、毎度、毎度の様に浮気だなんだと、いちゃもんをつけられるなんて、たまったもんじゃない。
沖田の性格からしてみれば、浮気なんて面倒な事をするくらいならば、さっさと言葉のひとつでも投げつけている。
と言うか、二人の女を思う、その行為自体が面倒で仕方ない。なのにいつだって……。

(ったく、あいつは……)
正直、いま、この事態がすでに沖田にとって、かなりめんどくさい状況だけれど、それでも、こんな風に思いながらも一緒にいる事が、なにより、神楽への思いの証拠だった。
その思いが、まんがいちにもなくなることがあるならば、おそらく沖田は誰より先に神楽に、うちあけようと思っている。でもそれは、神楽への想いが揺るがないものだと信じているからこそ。
弱い所も、甘える事も、いつのまにか、一番に見せてくれるようになった。ささいな事かもしれないけれど、そんな神楽を沖田は大切に思っている。


それを分からない、天邪鬼な女が、可愛いと思っているだなんて、間違っても口に出すつもりはない。

だから、いつだって、暴走気味な女の事を考えていると、頭が痛くなりつつある。

そんな事を考えながら、歩いていた沖田の耳に、噂話が同じくとして耳へはいってきた。
それは沖田自身がとても驚くことだったけれど、上司である土方から言われた台詞が、今やっとの事で理解ができたようだった。
馬鹿げた話だとはじめ聞いていた町民の話だけれど、もしこれが、本当に神楽の耳に入ったとすれば、誤解するのも、正直わかる気がした。

逆の立場だったとして、おそらく自分はこの噂話を鵜呑みにしてしまう。それほどまでに、この江戸に、話は広まっていた。

(マジですかィ)

咄嗟、思い浮かんだ顔は、神楽。
バカらしいと思いこんでいたけれど、どうやら事は、そう簡単には済みそうにはない気がしてきた。
沖田の中に、焦る何かが走った。

「沖田はん」
思い巡る沖田の背中にかけられたこの声に、確かに、聞き覚えがあった。ゆっくりと振り向くと、あの時、あの瞬間、神楽の心臓をかき乱した町娘が、そこにはいた。 





わずか前を振り返り、自分がなぜ、こんな事をしたのかを考えた。
沖田が浮気をしたと思ったから? 許せなくて苦しくて、こんな結末なら、いらない……そう思ったから?
未来を描きかえたい。思ったはずなのに、スイッチをおした瞬間、光に飲み込まれたあの時、頭の中に、数え切れないほどの思い出が浮かびあがった。

初めてくれたプレゼントに、クリスマス。テーブルいっぱいの年越しそばに、空っぽのお年玉。長い階段を上ってお参りした神社。二人で引いた大凶のおみくじ。してやったと思ったら、逆にだまされたエイプリルフール。こっそりバイトして買った誕生日プレゼントのお守り。……それは、どれ一つとして、なくしたくない大切な思い出。

(何をしたかったアルか、私)




「神楽ちゃん」
背中ごしに新八に呼ばれ、神楽はゆっくりと振り向いた。

「私、何がしたかったか、分からないネ」
神楽の手の中には、源外の発明品がある。でもそれは、まっぷたつに割れている。
新八は、ゆっくりと、神楽の横へと腰掛けた。


新八に、沖田が来たと言われた瞬間、顔を見ることさえ、出来なかった。
最初に、皆で考えた計画も、ミツバまで巻き込んでしまって、あとに引けなくなって、沖田に茶番を見せた。なんとなく終わって、感情の中に残ったのは、空しさだけ。

「あ~もぅ、何がしたかったアルか、私は」

思う神楽の隣の男に、何を聞いても、きっと答えてくれないはず。
神楽は窓の外の夕日を見ながら、ゆっくりと口を開いた。

「銀ちゃん」
呼ばれた名前に返事はくれなかったけれど、その手は神楽の髪をくしゃくしゃと遊ばせる。いつもこうやって慰めてくれる、やさしさが、神楽は昔から好きだった。

ぎゅっと握られた拳の中から、ひとつ落とされたのは五百円玉。
「いつもの、頼むわ」
神楽の背中を、ぽんぽんと叩くと、銀時は、手をひらひらとさせながら、背中を、見せた。



・・・・To Be Continued・・・・・
Category: Day After Tomorrow
Published on: Fri,  12 2014 14:35
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