山崎の不運な一日

ザキ山こと山崎

(息抜き小説です。)
↓↓ 潜入捜査、女装、着ぐるみ・・・・・そしてパシリ、新選組の何でも屋と言っても過言ではない男。


「おい、山崎ィ」
「はいィィ!!!」
それが、山崎 退。彼の災難な一日は、神楽からの一言から始まった。


AM ’七時ジャスト。朝一番の仕事として、いつものごはんにかけるアレがきれてしまったと言われ、山崎は、土方の使い(パシリ)でいつものコンビニの中にいた。両手にあふれる程のマヨネーズをとってしまえば、あっというまに在庫はなくなってしまうけれど、そんな事はおかまいなし。山崎は会計を必死にすますと、自動ドアの開くのを、一刻も待てない面持ちで足ふみをする。

「アレ?」
開いたドアの向こう、そこには、神楽がいた。



神妙な面持ちの神楽は、山崎の横をスッと通りすぎる。
いつもなら、声をかけるどころか、悪態のひとつやふたつ投げ込んでくるのに、どうしたんだろうと山崎は不思議に思ったけれど、両手の中にある物質をじっと見つめると、自分の中で競り合っているふたつの答えに問答し始めた。

神楽がコンビニから出てくるのを見た山崎は、結局、その背中についてあるいていた。
早歩きだったと思えば、そのスピードはおち、時に立ち止まり・・・・・・。そして下を向く。

「ついてくるなヨ」

尾行していた訳じゃないけれど、かけられた神楽の言葉は自分にむけたものだと言う事はわかる。
でも、山崎は返答に困っていた。
その声が、震えていたから・・・・・・。

神楽はその一言だけ口にすると、また再び歩き出す。さっさと帰ってもよかったけれど、なんとなくほっとけない性分の山崎は結局神楽の背中について歩いている。そうしていると、いつもの場所に神楽が行き着いた。
神楽はベンチに座ると、膝をかかえた。

「あの・・・・・・」
山崎はこう言う場面に慣れていない。局長である近藤や、土方なら、言い方や接し方は違えど、いい聞き相手になっているだろうけど、だからせめて、声をかけるくらいなら、そう口を開いたのだった。
神楽は何も答えない。なんとなく、予想がついているけれど、その話題を口にしていいものか、彼は頭の中でぐるぐると悩んでいた。

「な、なななんかあったんです・・・・・・か?」
あえて、名前を出さないのは、山崎のそこが、境界線。
「何もないアル」
そう言った声はさっきよりも鼻がかっていた。
何かあったのかは確定したけれど、一体どうしたらいいものか山崎には検討つかない。安易な言葉をいって、最悪の状態になるやもしれんと思うばかり、けれどほっておけないのは、上司である沖田の女だからだ。
振り回されれ、殴られ、蹴られ、時に斬られてしまうけれど、沖田は上司であり仲間。
冷たい視線、または意地悪い視線ばかりおくる沖田が唯一、神楽に向ける視線を山崎は嫌いじゃない。
唯一と言ってしまったらきっと怒られてしまうだろうけれど、神楽と一緒にいる時、確かに沖田の人間性は柔らかくなる。

だから、聞いてあげるくらいなら・・・・・・そう思った。

「沖田とは別れるアル」

直球で投げ落としてきた言葉に、山崎は口を大きくあけた。
立ち上がった神楽の、両手を掴むと、山崎はそこらへんにマヨネーズを散らばしている。

「ちょちょちょちょちょっ~~~~と!! 待ってくださいよ!」


神楽はといえば、誰かに話を聞いてもらってスっとしたか、もしくは自分の出してしまった決断に納得がいったのか。
「帰るネ」
「だだだだだ~~め~です!だめです! だめです!だめです!・・・・・・」
このまま帰してなるものか、山崎はそう神楽を掴んでいる。
「離すネ」
「話しましょう、話しましょう! じっくり聞きますから、気がすむまで聞きますからぁぁあっ!!」
今、この手を離したらイカンと全細胞が山崎に指令をだす。
それでも離せと言う神楽に、美味いあんみつ茶屋でも行こう、そう話をもちかけた。
すると、手のひらをかえしたように、神楽は頷いた。

四人がけの席に、神楽と向かい合わせ、そして隣にはマヨネーズの山。
ここの店一番の人気の抹茶トリプルサンデーを神楽はかぶりつく。
そして、山崎は、だされた上質こしあんぱんを目の前におき、本題へとはいった。

「何かやらかしたんですか?」
この質問は、神楽にも、沖田にも言い当てまわる台詞だけれど、あえてそこは確定せずにおくことが、大事。
「別に」
「別にじゃないでしょう?別にじゃ!」
神楽によって、沖田の機嫌がよくなる事はないけれど、その逆はありけり。
幸せはひとりじめする質(たち)なのか、顔には出さないけれど、機嫌が悪くなるとそれを全力で投げつけてくる。
その矛先は、いつだって自分だ。

「もう、あいつとは終わりネ」
「ちがーう! 終わりじゃなーい!」
きっと、この事は沖田も知らないはず。こんな爆弾を投下されて身が安全なわけがない。
もしかしたら、このまま、ここで解決できるかもしれない、否、解決しなければならない。
「あの・・・・・・心変わりでも・・・・・・?」
正直、そんな風には見えなかった。口ゲンカやなんらはいつもの事だけれど、二人歩く姿はいつだって幸せそうだ。
じっと神楽をみるけれど、そっぽを向いた神楽は答えない。
「じゃあ・・・・・・浮気でぼふっ・・・・・・!」
神楽の傘が、脳天に直撃した。
ちらちらと目の前に暗闇と灯りが見え隠れしたけれどこれくらいでめげてちゃいけない。
「じゃあ、なんなんです・・・・・・」
口をとじた山崎の顔が真っ青になった。
「ん? どうしたアル」
神楽は振り返ろうとしたけれど、それを必死に山崎はそししようと手をひいた。
二人、テーブルに、顔を沈ませるような形。
山崎が見た影は、確かに沖田だった。


そしてこのすぐ後、彼の運命は地(血)へとおちていくのである。


・・・・To Be Continued・・・・・
Category: 山崎の不運な一日。
Published on: Mon,  23 2015 10:06
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